研究課題
菌糸の融合不和合は固体集団レべルでのウイルス免疫(ウイルス水平伝搬の難易)に関与する。そこでこの融合不和合を規定する遺伝子とRNAi関連遺伝子の破壊株、ノックダウン株をクリ胴枯病菌で作製する。「この菌(免疫不全菌)系統は、免疫不全マウスと同じように各種ウイルスの宿主となり、しかも不和合の組み合せの受容菌側の細胞死抑制」が期待される。まず、本菌の非相同組換え欠損系統DK80を遺伝的背景として,Dicer様タンパク質遺伝子(dcl2)ならびにArgonaute様タンパク質遺伝子(agl1, agl2, agl3, agl4)の5重変異体の作成に成功した。これら菌株間で数科のRNAウイルスの蓄積量を比較した。その結果,いくつかのRNAサイレンシング感受性ウイルスに対しては,Argonauteを必要とせずDicerがだけで複製を阻害できること(防御機構)が示された。しかし、別のウイルスの複製阻害にArgonauteを必要とする。この成果はRNAiのパラダイムシフトをもたらす大きな成果である。申請者らは、既に菌類で機能するRNAi抑制蛋白質の評価法を開発し、CHV1p29を同定した。岡山大で保有する50を超える菌類ウイルスの中から、さらに抑制蛋白質CHV4-p24を同定した(Aulia et al., Biology 2021)。p29に加えp24RNAi抑制蛋白質の作用点を細胞学的・分子生物学的アフプローチで解析する。CHV4-p24発現クリ胴枯病菌ではRNAサイレンシング感受性ウイルスMyRV2が安定的に維持され、蓄積量も増加した。一方、CHV1-p29と相互作用するする宿主タンパク質を免疫沈降/MS解析により多数同定した。現在、それらが果たすであろうCHV1複製、RNAサイレンシング抑制での役割を遺伝子破壊により解析中である。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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