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2017 年度 実績報告書

新規多機能糖質としてデザインされたイソマルトメガロ糖による生理作用とその発現機構

研究課題

研究課題/領域番号 17H01473
研究機関北海道大学

研究代表者

原 博  北海道大学, 農学研究院, 特任教授 (70198894)

研究分担者 比良 徹  北海道大学, 農学研究院, 講師 (10396301)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードイソマルトメガロ糖 / フラボノイド / 腸上皮バリア機能
研究実績の概要

イソマルトメガロ糖は、でんぷん部分加水分解物デキストリンを原料に、食品用の酢酸菌酵素、 デキストリンデキストラナーゼを用いた糖転移反応で生産される新規糖質である。そのフレキシブルなα-1,6 結合と適度な鎖長により、種々の食品成分や消化管上皮細胞表層分子と相互作用を して機能性を発揮する。またα-1,6 結合グルコース主鎖の末端に、「堅い」α-1,4 結合のグルコース側鎖を持ち、メガロ糖と他成分との分子間相互作用を安定化させるよう設計されている。その生理作用として、小腸上皮バリア機能の保護作用、フラボノイド(ケルセチン)の腸管吸収への作用を検討した。
ヒト結腸癌由来細胞株Caco-2を用いた物質透過性試験ならびに経上皮電気抵抗測定により、上皮バリア機能を評価した。油脂酸化物アクロレインによりバリア機能が障害を受けるモデル系を構築し、ここにイソマルトメガロ糖を共存させると、アクロレインによるバリア機能障害(物質透過性亢進と経上皮電気抵抗値降下)が緩和され、イソマルトメガロ糖は油脂酸化物による上皮バリア障害を抑制することが示唆された。
門脈カテーテル留置ラットにおいて、ケルセチン単独または、ケルセチンとイソマルトメガロ糖を混合して胃内投与し、経時的に門脈血を採取した。その結果、ケルセチン単独投与に比べ、イソマルトメガロ糖併用群で、高い血中ケルセチン代謝物濃度を示した。このことかイソマルトメガロ糖は、ケルセチンの吸収を高める作用があることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

イソマルトメガロ糖の生理作用として、in vitroでの腸上皮細胞のバリア機能保護作用、in vivoでのケルセチン吸収促進作用を明らかにした。これらの結果を得られたことから、おおむね順調と判断した。

今後の研究の推進方策

イソマルトメガロ糖の生理作用発現に関して、その作用メカニズム解明を目指し、構造活性相関の評価や、腸管組織、培養細胞での試験を実施する。また、イソマルトメガロ糖を持続的に摂取させた際の生理作用について、フラボノイド吸収やバリア機能への影響などを、ラットを用いて検討する。その他、消化管内分泌系への作用を調べるため、消化管内分泌細胞株を用いたホルモン分泌試験などを実施する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Enzymatically synthesized megalo-type isomaltosaccharides enhance the barrier function of the tight junction in the intestinal epithelium2018

    • 著者名/発表者名
      Hara Hiroshi、Kume Shunsuke、Iizuka Takahisa、Fujimoto Yoshinori、Kimura Atsuo
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem.

      巻: 82 ページ: 629-635

    • DOI

      10.1080/09168451.2017.1398065

    • 査読あり
  • [学会発表] 小腸上皮バリア機能に対するアンカー型イソマルトメガロ糖の保護作用2017

    • 著者名/発表者名
      白戸しおり, 飯塚貴久,藤本佳則,舟根和美,Weeranuch Lang, 木村淳夫,原博
    • 学会等名
      日本応用糖質科学会平成29年度大会
  • [学会発表] ケルセチンの吸収は中分子サイズのイソマルト糖(メガロ糖)により増加する2017

    • 著者名/発表者名
      尾山真菜実,飯塚貴久,藤本 佳則,Weeranuch Lang, 木村淳夫, 原 博
    • 学会等名
      日本ポリフェノール学会第11回学術集会

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公開日: 2018-12-17  

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