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2018 年度 実績報告書

新規多機能糖質としてデザインされたイソマルトメガロ糖による生理作用とその発現機構

研究課題

研究課題/領域番号 17H01473
研究機関藤女子大学

研究代表者

原 博  藤女子大学, 人間生活学部, 教授 (70198894)

研究分担者 比良 徹  北海道大学, 農学研究院, 講師 (10396301)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードイソマルトメガロ糖 / 腸管バリア / 消化管ホルモン
研究実績の概要

昨年度までの研究により、ヒト結腸細胞株を用いた物質透過性試験ならびに経上皮電気抵抗測定により、油脂酸化物アクロレインによるバリア機能障害が、イソマルトメガロ糖を共存させることで緩和されること、すなわちイソマルトメガロ糖は油脂酸化物による上皮バリア障害を抑制することが示唆された。また、動物試験において、経口投与したケルセチンの吸収が、イソマルトメガロ糖を同時に投与することで高められることが示された。今年度はイソマルトメガロ糖の腸管バリア機能への影響に関して、アクロレイン以外の素材を用いたバリア機能障害モデルにて評価した。
ヒト由来結腸上皮細胞株Caco-2 単層膜を用い、いくつかの脂質酸化生成物を被験物質としてスクリーニングを実施したところ、アクロレインに加えtrans,trans-2,4-decadienal ならびにエタノールによるタイトジャンクション透過性上昇すなわちバリア機能障害が観察された。同試験系にてイソマルトメガロ糖を共存させると、trans,trans-2,4-decadienal、にエタノールによるタイトジャンクション透過性上昇は抑制された。このことから、イソマルトメガロ糖はアクロレイン誘導性だけでなく種々の化学物質誘導性のバリア機能障害を緩和することが示された。
消化管ホルモン(GLP-1)分泌への影響を観察するため、イソマルトメガロ糖を添加した飼料を5週間ラットに摂取させた。4週後に実施した耐糖能試験ではメガロ糖摂取群において、コントロール群よりも血糖応答が低下する傾向が見られたが、GLP-1分泌応答もイソマルトメガロ糖摂取群において低下が見られた。一方で空腹時の血中GLP-1濃度はメガロ糖摂取群で高い傾向が見られた。これらの結果よりメガロ糖の摂取が消化管ホルモンGLP-1の産生や分泌に影響することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成30年9月の北海道胆振東部地震の影響により、電力供給が停止し、ほとんどの冷凍サンプルおよび冷凍試薬類が融解したため、サンプル を再度採取し、腸管バリア機能増強作用の解析 をやり直す必要が生じた。 これにより消化管ホルモン分泌への影響を調べる試験の実施が遅れ、繰越申請せざるを得なくなったことから、やや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

イソマルトメガロ糖の消化管内分泌系への作用を調べるため、ラットを用いて検討する。さらに、イソマルトメガロ糖とフラボノイド類を組み合わせて、ラットへの経口投与などによりin vivoでの作用を評価する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ケルセチン配糖体の長期摂取によるGLP-1分泌能亢進の解析2018

    • 著者名/発表者名
      長瀬 僚介、比良 徹、原 博
    • 学会等名
      第 72 回日本栄養・食糧学会大会
  • [学会発表] 各種ケルセチン配糖体摂取による消化管ホルモン GLP-1 分泌能の適応的増強現象2018

    • 著者名/発表者名
      長瀬 僚介、比良 徹、原 博
    • 学会等名
      日本食品科学工学会 第65回大会

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公開日: 2021-01-27  

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