研究課題/領域番号 |
17H01496
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
森 也寸志 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (80252899)
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研究分担者 |
松本 真悟 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 教授 (00346371)
金子 信博 福島大学, 食農学類, 教授 (30183271)
大澤 和敏 宇都宮大学, 農学部, 教授 (30376941)
辻本 久美子 岡山大学, 環境生命科学研究科, 助教 (80557702)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 土壌劣化 / マクロポア / 浸透現象 / 炭素固定 / 植生回復 |
研究実績の概要 |
土壌中の有機物の動態は地球最表層の物質循環に大きく影響し,また,陸域最大の貯蔵量を持つことから,その蓄積と消失は地球温暖化に強く関係する.これまでの研究から土壌有機物量の推定についてはある程度の成果をおさめている.しかしながら,推定に関わるモデルは,限られた地域の研究の蓄積から抽出されており,充分な量のデータを元に相互関係を考慮しながら推定されているわけではない.また一方で,膨大なデータを利用したとしても,何がどのように関わるか関数的に明らかにならない状態で全てのデータを利用しながら研究に取り組むことは時間的に無駄が多く,現実的ではない. そこで,人間の側からは関数型を決めず,膨大なデータを用いた機械学習を行った.1万を超える土壌の16種類のデータセットを使って,土壌有機物がどのパラメータと関連づけられ,推定されるのかを調べた.再帰的特徴消去を用いて特徴の選択を行い,ついでニューラルネットワークを使って,選択された特徴量から目的となる土壌有機物量を推測するモデルを作成した. 検証した中では特徴量を7つにしたときに,ニューラルネットワークが最も良い成績を示した.土壌有機物とは,粘土鉱物量,乾燥密度,粘土CEC,総CEC,塩基飽和度,交換性塩基,ESPが関連度が高いと評価された.このパラメータで構築したモデルは7割が土壌有機物量を非常に良く推定し,3割が極端に悪い結果となった.導き出された関係は非線形で非常に複雑であるので,一般的な理解が難しいが,人間の側から関数系を与えずに得られた成果であり,未知の関係が推定される場合は強力な道具となることが期待され,複雑な因子が絡む環境動態の解明に大きく貢献すると与えると考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当年度の目的である,広域における土壌有機物の評価において,ビッグデータ的に広域からのデータを収集し,これを機械学習によって解析したところ,土壌有機物の保全に必要な特徴量が得られ,その手段の有用性が明らかになったから.
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今後の研究の推進方策 |
今回得られた特徴量の意味づけとより広域での評価を進め,大陸レベルでは土壌有機物がどのように保全されているかを明らかにしていく.
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