研究課題
結晶L-シトルリン(L-Cit)の経口投与により、高温環境におけるヒナの体温上昇を抑制できることを報告してきたが、結晶L-Citは飼料に添加できないことから2つの試みを実施した。1つは L-Cit産生生菌を含む培地の投与、もう一つはL-Citを多く含むスイカ外皮の投与である。両処理共に体温上昇を抑制できることが判明した。L-ピペコリン酸は、脳におけるL-リジンの中間体で、鎮静・催眠作用を有するイミノ酸である。同じくイミノ酸である L-プロリンは、N-メチル-D-アスパラギン酸受容体に作用する。しかし、ヒナにおいてL-ピペコリン酸はN-メチル-D-アスパラギン酸受容体の活性化を通じて催眠効果を発揮せず、イミノ基がN-メチル-D-アスパラギン酸受容体を活性化する決定因子ではないことが明らかとなった。オルニチンは、急性ストレス下でも鎮静・催眠作用を発現する。マウスにおいて、オルニチンは急速にシトルリンに代謝されるとともに、コラーゲンの重要な成分であるプロリンとグリシンの皮膚における濃度を高めた。L-アルギニンの投与はマウス乳汁中のL-アルギニン濃度を高めないが、D-アルギニン投与により乳汁中のD-アルギニンは著しく高まった。ラットにおいて、ストレスは視床下部のグルタミン酸を高め、スレオニンとグリシン濃度を減少させた。また、前頭前皮質のスレオニンおよびオルニチン濃度は、授乳期で未経産のグループと比較して有意に高かった。うつ病モデルであるWistar Kyotoラットと対照としてのWistarラットを比較すると、 Wistar Kyotoラットで乳汁中の10種の遊離アミノ酸の濃度が有意に高かったが、L-メチオニンのみが逆に低かった。ヨーグルト乳清の経口投与は、ラットの視床、視床下部及び脳幹内における特定の遊離アミノ酸濃度を修飾した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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