研究課題/領域番号 |
17H01509
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村田 幸久 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40422365)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アレルギー / プロスタグランジン / 実験動物 |
研究実績の概要 |
本研究は4年の研究期間内に、食物アレルギーの抗原吸収から免疫獲得、症状発現、免疫寛容における、肥満細胞とPGD2の持つ役割の全容解明を目指す。 平成29年度の研究においては①PGD2シグナルが皮膚に侵入してきた抗原の分解を促進し、症状を抑制する機構を解明することを目的として、皮膚への抗原投与に反応したPGD2産生が、血管の透過性をおさえることで抗原の吸収を抑えることをin vitro、in vivoの両レベルで明らかにした。また、②PGD2シグナルがIgE産生を促進する機構の解明を目的に、抗原刺激よるPGD2産生が、IgE産生を促進する働きを持つことを遺伝子欠損マウスを用いたin vivoレベルの実験により証明できた。③PGD2シグナルによる免疫寛容調節機構の解明と応用を目的として、まず免疫寛容モデルを確立し、その病態評価を進めた。今後PGD2がこのモデルに与える影響を評価していく。④PGD2産生制御機構については、初年度にはまだ開始していない。 ⑤ω3脂肪酸による治療効果とその作用機序の解明を目的として、ω3脂肪酸産生マウスの食事条件の検討や無刺激時、もしくはアレルギー反応について評価を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験に用いる予定であった一部のマウスの繁殖状況が悪く、実験項目①PGD2シグナルが抗原分解を促進し、症状を抑制する機構を解明する目的の実験が遅延した。しかし、全体の計画はほぼ予定通りに遂行できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も①PGD2-DPシグナルが抗原分解を促進し、症状を抑制する機構、②PGD2シグナルがIgE産生を促進して、③免疫寛容の誘導を抑制する機構、④PGD2産生機構を解明し、これを応用した⑤新しい食物アレルギー管理・治療方法の提案を行っていく。特にこれまで開始していなかった④の項目について実験を開始する。現在の所研究計画の変更や研究遂行上の問題はない。
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