研究課題
本研究では令和3年度において米国産キゴキブリ(Cryptocercus punctulatus)の保有する原生生物の代謝産物解析を予定していたが、カウンターパートとの調整の結果、コロナウイルス感染症の影響により渡航を断念し、研究費の繰越を行った。令和4年度の夏以降、渡航制限が大幅に緩和されたことから、令和4年9月にアメリカに渡航し、ジョージア州のBlack Rock Mountain州立公園においてジョージア州の採集許可の下、キゴキブリ採集を実施した。採集したキゴキブリは米国魚類・野生生物局および本邦植物防疫所の検疫を経て、研究室に持ち帰った。これらのキゴキブリから後腸を摘出し、共生原生生物であるTrichonympha acuta、T. lata、およびBarbulanympha sp.について各5~6グループの代謝産物解析用サンプルを調整した。これらのサンプルについては現在、CE-TOFMSによる解析を実施している。また、これらの原生生物に共生するバクテリアについて16SrRNA遺伝子のアンプリコン解析を進めたところ、日和見共生と思われる細胞外共生細菌(Endomicrobium、Deferribacteres、Bacteroidalesなど)が多く、細胞内共生バクテリアと思われるものについてもシロアリの原生生物で優先しているバクテリアとは大きく異なる種類(Rickettsiales、Verrucomicrobia、Mycoplasmaなど)が優占していることが明らかとなった。現在、これらの共生バクテリアについて、シングルゲノム解析を実施している。さらに昨年度より実施しているシロアリ腸内微生物の感染ダイナミクスについても解析を継続した。各処理過程におけるバクテリアの動態を定量PCRによって確認したところ、ほぼ原生生物の増減と一致した挙動を示すことが確認された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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