北方林における気候変動への適応：生態系レジリエンスの保全をめざした生態系管理

2020 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 17H01516
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 森本 淳子 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (50338208)
• 研究分担者: 尾張 敏章 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00292003) ; 鈴木 智之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (20633001) ; 松井 孝典 大阪大学, 工学研究科, 助教 (30423205) ; 三島 啓雄 立正大学, 環境科学研究所, 客員研究員 (60534352) ; 柴田 英昭 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (70281798) ; 饗庭 正寛 総合地球環境学研究所, 研究部, 特任助教 (80751990)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2021-03-31
• キーワード: 気候変動 / 森林管理 / 台風かく乱 / リスクモデル / 景観シミュレーション

研究実績の概要

テーマ１：１）GISデータベースの検索機能を改良し、データ登録・抽出をブラウザ経由で行うインターフェイスを作成した。研究対象地域と周辺地域において平成30年度末の優占樹種以外の樹種情報/胸高直径/面積歩合等の森林簿情報を追加登録し、全道分の小班概要情報のデータ登録を実施した。２）新たに2016年の一連の台風における斜面崩壊の機械学習のよるモデル化に取り組み、最大風速時に風上側の急傾斜地が最も斜面崩壊の起点となる確率が高いことを示した。
テーマ２：１）無人航空機（UAV）を用いたデジタル空中写真測量（DAP）の技術的検討を行った。UAV-DAPで算出した樹高と樹冠面積を変数とする胸高直径（DBH）推定モデルを構築し、LiDARや地上調査と同等の精度で単木のDBHを推定できることを示した。２）東京大学北海道演習林を対象に、施業が風倒後の森林回復に与える影響を検証するための資料調査、データ処理（1981年台風の風害を受けた場所の毎木調査データの解析、風害後の施業が林分蓄積回復に与える影響の解明）を行った。1957年の洞爺丸台風後の空中写真のオルソ化を行った。
テーマ３：１）ササによる樹木天然更新への影響をLANDIS-IIで表現するため、試行実験を行った。モデル改良の効果を検証するための実測データの収集を行い、北海道内の森林の長期的な動態をレビューした。２）前年度にテーマ１で特定した風倒地で、テーマ２で提案された風倒後森林管理を行った際の気候変動下で2100年までのバイオマスと種組成の回復過程を計算した。風倒前の林床の前生樹とササの分布によっては、気候変動下でも地上部バイオマスが回復できることがシモデル側からも示された。前年度にLANDIS-IIに実装したササの更新阻害と倒木上更新プロセスは、モデルの開発者と連携を取りつつ公式リリースに向けた準備を進めた。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Risk assessment of forest disturbance by typhoons with heavy precipitation in northern Japan (2021)
  • 著者名/発表者名: Morimoto Junko、Aiba Masahiro、Furukawa Flavio、Mishima Yoshio、Yoshimura Nobuhiko、Nayak Sridhara、Takemi Tetsuya、Chihiro Haga、Matsui Takanori、Nakamura Futoshi
  • 雑誌名: Forest Ecology and Management 巻: 479 ページ: 1～9
  • DOI: 10.1016/j.foreco.2020.118521
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Application of UAV Photogrammetry with LiDAR Data to Facilitate the Estimation of Tree Locations and DBH Values for High-Value Timber Species in Northern Japanese Mixed-Wood Forests (2020)
  • 著者名/発表者名: Moe Kyaw Thu、Owari Toshiaki、Furuya Naoyuki、Hiroshima Takuya、Morimoto Junko
  • 雑誌名: Remote Sensing 巻: 12 ページ: 1～19
  • DOI: 10.3390/rs12172865
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] 林分施業法における航空機LiDARとUAVの利用可能性 (2020)
  • 著者名/発表者名: 尾張敏章
  • 雑誌名: 北方林業 巻: 71 ページ: 106～109
• [雑誌論文] Recovery and allocation of carbon stocks in boreal forests 64?years after catastrophic windthrow and salvage logging in northern Japan (2020)
  • 著者名/発表者名: Hotta Wataru、Morimoto Junko、Inoue Takahiro、Suzuki Satoshi N.、Umebayashi Toshihiro、Owari Toshiaki、Shibata Hideaki、Ishibashi Satoshi、Hara Toshihiko、Nakamura Futoshi
  • 雑誌名: Forest Ecology and Management 巻: 468 ページ: 1～8
  • DOI: 10.1016/j.foreco.2020.118169
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Scenario Analysis of Renewable Energy?Biodiversity Nexuses Using a Forest Landscape Model (2020)
  • 著者名/発表者名: Haga Chihiro、Maeda Marimi、Hotta Wataru、Inoue Takahiro、Matsui Takanori、Machimura Takashi、Nakaoka Masahiro、Morimoto Junko、Shibata Hideaki、Hashimoto Shizuka、Saito Osamu
  • 雑誌名: Frontiers in Ecology and Evolution 巻: 8 ページ: 1～15
  • DOI: 10.3389/fevo.2020.00155
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 東京大学北海道演習林の天然林継続観測の概要 (2020)
  • 著者名/発表者名: 鈴木智之
  • 雑誌名: 北方林業 巻: 71 ページ: 96～101
• [雑誌論文] Comparison of Conventional Change Detection Methodologies Using High-Resolution Imagery to Find Forest Damage Caused by Typhoons (2020)
  • 著者名/発表者名: Furukawa Flavio、Morimoto Junko、Yoshimura Nobuhiko、Kaneko Masami
  • 雑誌名: Remote Sensing 巻: 12 ページ: 1～17
  • DOI: 10.3390/rs12193242
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] ＜特集＞風倒被害と森林施業 風倒後の森林施業－気候変動への適応策としての再評価－ (2020)
  • 著者名/発表者名: 森本淳子, 森本未星, 杉浦澪, 小松陽香
  • 雑誌名: 北方林業 巻: 71 ページ: 14～17
• [雑誌論文] 人工林における気候変動への適応 (特集 地球温暖化と北方林) (2020)
  • 著者名/発表者名: 森本 淳子, 髙野(竹中) 宏平, 竹見 哲也
  • 雑誌名: 北方林業 巻: 71 ページ: 13～16
• [学会発表] 風倒後にできる適応策－将来気候下での森林保全－ (2021)
  • 著者名/発表者名: 芳賀 智宏・松井 孝典・井上 貴央・堀田 亘・饗庭 正寛・尾張 敏章・鈴木 智之・三島 哲雄・森本 淳子・柴田 英昭
  • 学会等名: 第68回日本生態学会
• [学会発表] 気候変動下で風倒後の管理が北方林の種組成に及ぼす長期的影響 (2021)
  • 著者名/発表者名: 堀田亘, 芳賀智宏, 森本淳子, 井上貴央, 鈴木智之, 松井孝典, 尾張敏章, 柴田英昭, 中村太士
  • 学会等名: 第132回日本森林学会大会
• [学会発表] 気候変動下で風倒後の管理が北方林の炭素収支に及ぼす長期的影響 (2021)
  • 著者名/発表者名: 堀田亘, 芳賀智宏, 森本淳子, 井上貴央, 鈴木智之, 松井孝典, 尾張敏章, 柴田英昭, 中村太士
  • 学会等名: 第68回日本生態学会
• [学会発表] Introduction to LANDIS-II model (2021)
  • 著者名/発表者名: Saito Osamu, Hashimoto Shizuka, Huang Wanhui & Haga Chihiro
  • 学会等名: PANCES Modelling Training Seminar
  • 国際学会
• [学会発表] LANDIS-IIってなに？ (2021)
  • 著者名/発表者名: 小林勇太, 芳賀智宏
  • 学会等名: 第5回毎木セミナー
• [学会発表] 台風で倒壊しやすい森林はどこか？－風倒リスクモデルの構築－ (2021)
  • 著者名/発表者名: 饗庭 正寛、森本 淳子、三島 哲雄、FURUKAWA Flavio、NAYAK Sridhara、竹見 哲也
  • 学会等名: 第68回日本生態学会
• [学会発表] 森林再生に有効な風倒後の管理施業はなにか？－中～長期的影響評価－ (2021)
  • 著者名/発表者名: 森本 淳子, 鈴木 智之, 尾張 敏章
  • 学会等名: 第68回日本生態学会
• [学会発表] 風倒前にできる適応策－風倒リスクを低減する人工林配置－ (2021)
  • 著者名/発表者名: 吉村 暢彦, 饗庭 正寛, 森本 淳子
  • 学会等名: 第68回日本生態学会
• [学会発表] 北海道空知地方におけるずり山の植生回復を規定する要因の検討 (2021)
  • 著者名/発表者名: 河合仁美、森本淳子、中根貴雄、酒井裕司、中村太士
  • 学会等名: 第68回日本生態学会
• [学会発表] 北海道胆振東部地震で発生した表層崩壊地における地域資源活用緑化 (2021)
  • 著者名/発表者名: 山田夏希、森本淳子、孫田敏、福田尚人、中村太士
  • 学会等名: 第68回日本生態学会
• [学会発表] Combined impacts of Windthrow and Subsequent management on forest structure in cool temperate forests (2021)
  • 著者名/発表者名: Jing Li、Junko Morimoto、Satoshi Suzuki、Toshiaki Owari、Nakane Takao
  • 学会等名: 第68回日本生態学会
• [学会発表] Simulation of recovery of above-ground biomass after windthrow damage under future climate change (2020)
  • 著者名/発表者名: Haga Chihiro, Hotta Wataru, Morimoto Junko, Owari Toshiaki, Inoue Takahiro, Shibata Hideaki, Aiba Masahiro, Matsui Takanori
  • 学会等名: 2020 Ecological Society of America Annual Meeting proceedings
  • 国際学会
• [学会発表] 生物多様性保全と再生可能エネルギーの導入は両立可能か？－別寒牛川流域を対象として－ (2020)
  • 著者名/発表者名: 芳賀智宏, 前田真理美, 堀田亘, 井上貴央, 松井孝典, 町村尚, 仲岡雅裕, 森本淳子, 柴田英昭, 橋本禅, 齊藤修
  • 学会等名: 第30回日本景観生態学会
• [学会発表] Simulating the long-term impacts of salvage logging after windthrow on forest carbon stocks and species composition in northern Japan (2020)
  • 著者名/発表者名: W. Hotta, C. Haga, T. Inoue, J. Morimoto, T. Matsui, S. N. Suzuki, T. Owari, H. Shibata, F. Nakamura
  • 学会等名: Ecological Society of America Annual Meeting proceedings
  • 国際学会
• [学会発表] Simulation of recovery of above-ground biomass after windthrow damage under future climate change (2020)
  • 著者名/発表者名: C. Haga, W. Hotta, J. Morimoto, T. Owari, T. Inoue, H. Shibata, M. Aiba, T. Matsui
  • 学会等名: Ecological Society of America Annual Meeting proceedings
  • 国際学会