研究課題/領域番号 |
17H01525
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理系薬学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
黒瀬 等 九州大学, 薬学研究院, 教授 (10183039)
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研究分担者 |
長坂 明臣 九州大学, 薬学研究院, 助教 (10723877)
仲矢 道雄 九州大学, 薬学研究院, 准教授 (80464387)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 薬理学 / シグナル伝達 / 循環器・高血圧 / 免疫学 / 細胞外微小環境 |
研究成果の概要 |
心筋梗塞などで生じる組織の欠落は筋線維芽細胞により産生されるコラーゲンによって補てんされる。しかし、コラーゲンの過剰な蓄積は線維化とよばれ治療の対象である。心筋梗塞時には組織の壊死が起こるため炎症も生じる。炎症の進行と線維化(筋線維芽細胞の出現)が並行して起こるため、炎症の解析も線維化の理解に重要であると考えられている。さらに、炎症時にはプロトン濃度が上昇することが知られているにも関わらず解析されてこなかった。本研究では、炎症時の白血球浸潤の重要性、プロトン濃度の上昇によって活性化されるpH感知性受容体の役割や細胞内シグナルなどについて解析し、線維化との関連を示した。
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自由記述の分野 |
分子循環薬理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(1)筋線維芽細胞への分化を制御する因子として、細胞骨格に作用するドレブリンを見出した。ドレブリンの効果はSmad3およびRho/MRTF/SRF経路を介していた。(2)ロイコトリエンB4受容体が梗塞後の白血球の浸潤に大きな役割を持つこと、炎症を抑制すると線維化や心機能の低下が抑制されることを示した。(3)内皮細胞のpH感知性受容体は活性化されると接着因子の発現を増加させ、好中球の浸潤を促進し炎症を誘起させた。炎症が抑制されると線維化も抑制されたことから、炎症の抑制が線維化の進行を阻害すること、梗塞後の炎症にかかわる分子が線維化治療薬のターゲットになることを示した。
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