研究課題
Golgi-mediated degradation pathway (GOMED)は、ゴルジ体から細胞外、細胞膜に運ばれる蛋白質輸送に障害が生じたときに、行き場を失った蛋白質が分解される機構である。GOMEDは、ノックアウトマウスなどの解析より、生理的・病理的に重要な細胞機能であることが判明している。今年度は、(A)GOMED実行機構の解明において、新規分子を3分子同定することに成功した。また、分子機構の解析において、以下の点を明らかにした。即ち、(1)GOMEDは、Ulk1分子を起点として実行されること、(2)Ulk1分子の746セリンのリン酸化が引き金となること、(3)リン酸化Ulk1は、ゴルジ体に移動して、GOMEDを実行すること、(4)このUlk1リン酸化は、RIPK3によって実行されること、(5)GOMEDが実行されると、ゴルジ体から運搬される分子が分解されること、(6)Ulk1の643セリンの脱リン酸化が、オートファジーもしくはGOMEDの起点となり、その後の746セリンのリン酸化によってGOMEDが選択されること、などを見出した。また、(B)GOMEDが重要な役割を担っている細胞の同定において、神経細胞やインスリン分泌細胞の重要性を見出した。(C)GOMEDの動態解明において、特異的なトランゴルジ膜の変形を見出した。(D)GOMEDの変調から生じる細胞障害機序において、ゴルジ体の過負荷による細胞障害の重要性を見出した。さらに、(E)ゴルジ膜の微細構造解析において、複数種類のゴルジ膜の存在を確認した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
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