研究課題
本年度も引き続き新規遺伝子改変T細胞療法用低免疫原性麻疹ウイルスベクターとベクター産生細胞の開発研究を継続実施した。先ずパッケージング細胞の樹立と第二世代麻疹ウイルスベクター粒子産生系確立に関しては、2018年度までに得られた「宿主細胞の種類」および「H蛋白およびF蛋白供給量ならびにその適切な発現タイミング」を引き続き詳細に検討し、2種類のパッケージング細胞を樹立して、第二世代麻疹ウイルスベクターの産生法を確立することができた。確立した方法を用いることで、第二世代麻疹ウイルスベクターを安定的に産生(導入力価 > 1.0×10^6 IU/ml) する事が可能となった。さらに、健常人末梢血単核球よりCD3陽性T細胞を単離して、第二世代麻疹ウイルスベクターを用いてレポーター遺伝子を導入した結果、導入から2~3日後までに高い遺伝子導入効率(MOI=3で87.2%, MOI=5で89.0%)を得ることができた。次に、他のキメラ抗原受容体(CAR)やT細胞受容体(TCR)、光感受性Magnetタンパク、ならびにメチオニン分解酵素を挿入した機能性第二世代麻疹ウイルスベクターを作製するための基礎実験を実施した。これらの研究中に、今後様々な外来遺伝子を挿入する可能性が高いことから、外来遺伝子を容易に挿入可能な汎用性の高い麻疹ウイルスベクターを作製することの重要性を強く認識し、容易に外来遺伝子を入れ替え可能な多制限酵素認識遺伝子配列を有する第三世代H蛋白およびF蛋白欠失麻疹ウイルスベクターの作製を試みた。その結果、これまでに二種類の低免疫原性麻疹ウイルスベクタープラスミドの作製に成功した。現在は、各種遺伝子発現第三世代麻疹ウイルスベクター粒子を作製し、健常人由来CD3陽性T細胞に遺伝子導入し、遺伝子導入T細胞の特性解析(ウイルス抗原消失、導入遺伝子の発現期間等)を実施中である。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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