研究課題
(1)前年度までに構築したトランスオミクス的ミトコンドリア機能評価:5台のLC-MS/MSを使い、高感度に1000分子の検出が可能なメタボロミクスの測定系は、2019年度の本研究費に基づく研究成果の多くで、活用されている。そして、ミトコンドリ細胞全体ではなく、ミトコンドリア内代謝を特異的に測定するための高速、効率的に無傷のミトコンドリアを生成する方法を開発し、細胞全体の代謝とミトコンドリア内特異的代謝を区別して測定する系を完成し、その有用性を NAD+の細胞内動態に注目することで示すことが出来た(論文作成中)。 (2)ミトコンドリア関連疾患の予防とその治療に向けた戦略的開発: (i) ミトコンドリア局在タンパク質p32の遺伝子KOマウスと免疫疾患に関しては、自己免疫性疾患である乾癬のImiquimod耳介塗布マウス実験モデルを用いて、p32KOが免疫樹状細胞の抑制を介して、乾癬の発症を強く抑制することを明らかにした(論文作成中)。また、p32がCD45-Ter119- CD31- triple-negative 骨髄細胞の赤血球、Bリンパ球への分化に必須であることを明らかにした(投稿中)。(ii)心筋特異的p32KOマウスの拡張性心筋症の発症は、オートファジー異常による心筋ミトコンドリア品質低下に起因していた。オー トファジーの異常はオートファゴゾーム形成ではなく、むしろリソソームの機能低下によるオートリソソーム内の分解機能異常であることを明らかにした。p32分子の欠損はミトコンドリア依存性のNAD+の合成低下によるリソソーム膜状に限局したATP合成不全を引き起こし、NAD+前駆体のNMN投与はリソソーム機能を回復させた。これらの結果は心不全の進展における新しい機序と新しい治療戦略の可能性を示唆するものである(投稿中)
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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