研究課題/領域番号 |
17H01554
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
田中 恵太郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (50217022)
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研究分担者 |
原 めぐみ 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90336115)
西田 裕一郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (50530185)
島ノ江 千里 佐賀大学, 医学部, 助教 (10734064)
大桃 秀樹 岩手医科大学, その他, 講師 (90453406)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 身体活動 / 末梢血DNAメチル化 / 乳癌 / 結腸癌 / コホート研究 |
研究実績の概要 |
本研究では、佐賀市民約12,000人の10年間の追跡によるコホート研究に基づいて、加速度計(ライフコーダ)で計測した強度別身体活動と関連する末梢血DNAメチル化を探索する事を初年度の目的とした。また、最終年度には身体活動量と結腸癌・乳癌の関連を検討し、その関連に同定した末梢血DNAメチル化が介在しているかどうかを明らかにする事を目的とした。 本年度(2017年度)は、ベースライン調査参加者(約12,000人)からのランダムサンプル512例について、epigenome-wide association study (EWAS, Infinium Methylation EPIC BeadChipを用いた約84万ヶ所のCpG sitesのDNAメチル化解析)に基づく測定を実施し、身体活動量と関連する末梢血DNAメチル化の探索を進めた。既に過去の研究で実施した約400名のEWAS(Infinium Methylation HM450 BeadChipを用いた約48万ヶ所のCpG sitesのDNAメチル化解析)の結果と合わせて、両キットに共通する約44万ヶ所のCpG sitesのメチル化と身体活動量の関連についてメタ解析を行った。この結果、ゲノムワイドの有意水準に到達するシグナルは得られなかったが、身体活動量と関連する可能性を示唆するいくつかの末梢血DNAのCpG sites(P = 6.17e-7など)を同定した。 この他、上記コホート研究の追跡調査(対象者の生存状況把握、死亡票閲覧による死因同定、医療機関への照会・カルテ調査による疾病罹患同定)により、乳癌症例約140例、大腸癌症例約150例の罹患(自己申告を含む)を把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
EWASによる測定を完了するのに、倫理審査等も含めて予定より時間を要したため、結果の解析がやや遅れた傾向があるが、測定自体は予定通り完了した。追跡調査については順調に進んでおり、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
身体活動と関連する可能性があるシグナルについて、必要に応じて2000例程度のDNAメチル化追加解析(パイロシークエンス法)を行い、身体活動量との関連が再現されるかどうかを検討する予定である。さらに、同定されたシグナルが血中炎症マーカー(高感度CRP、TNF-alpha、IL-6など)と関連するかどうかも合せて検討する。追跡調査は今後も同様に継続する。
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備考 |
今回の研究内容に関連した研究業績も掲載している
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