研究分担者 |
山地 太樹 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 室長 (10466203)
山岸 良匡 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20375504)
小久保 喜弘 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (20393217)
磯 博康 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50223053)
岩崎 基 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 部長 (60392338)
野間 久史 統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (70633486)
後藤 温 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 室長 (80644822)
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研究実績の概要 |
本研究では、多目的コホート研究(JPHC study)において既に収集されている試料・情報を活用し、がん、循環器疾患などの多くの国民が罹患する疾患に関して、遺伝要因、環境要因を合わせた疾患発症との関連を解明し、疾患発症予測法の確立することを目的としている。最終年度となる本年度は、この2年間で整備した、約1,200人の心筋梗塞・脳卒中などの循環器罹患症例と約10,000人のサブコホート(JPHC studyの一部の対象者をランダムにサンプリングした)からなる遺伝子多型情報を有したケースコホートを用いて、研究を進めた。具体的には、本研究の目的を達成するため、上記のコホートを活用する個別課題として、 ①疾患感受性遺伝子多型を検証するための、日本人集団における、循環器罹患症例のゲノム網羅的関連解析研究(GWAS) ②遺伝環境交互作用を検討するための、食塩感受性遺伝子などを用いた候補遺伝子多型アプローチ研究 ③疾患に対する潜在的なリスク要因を評価するための、メンデリアン・ランダマイゼーション法の方法論の研究を行った。 ①においては、心疾患、突然死、脳卒中に関連する遺伝子多型を探索したが、既知の疾患感受性遺伝子多型の中で、GWAS基準に達するものはなかった。②においては、21の候補遺伝子多型と高血圧との関連を解析したところ、一部の多型において、関連が認められた。更に、一部の多型は飲酒によりその関連が増強され、交互作用の存在が示唆された。③においては、解析に疾患感受性遺伝子多型を用いるため、その遺伝子多型の選定方法および、解析に用いる統計手法について精査した。これらの個別課題の結果は、ネガティブな結果も含むが、精度の高い疾患発症予測法の確立するために、必要不可欠な情報であり、引き続き、検証を重ねることで、日本人集団における疾患発症予測法の確立に繋がると期待される。
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