福山型筋ジストロフィー新規治療剤としてアンチセンス核酸の開発を行った。FCMDモデル細胞とモデル動物を用いて既報告の配列周辺の網羅的スクリーニングによって高活性配列の探索を実施した。さらに安全性の問題が無いと考えられるモルフォリノ核酸(PMO)を用いて配列の最適化を実施し、ミックスカクテルでなく1本のアンチセンス核酸によって高活性を示す候補配列NS-035を見出し、毒性、薬物動態の検討をGLPグレードで行い、臨床試験に移行できうることをほぼ確認した。 薬剤スクリーニングのアッセイ系では、スプライシング異常を改善する薬剤が12個同定された。その中にはすでにスプライシング調節に関与することが知られている薬剤が含まれていた。しかし、アンチセンス核酸の効果を超える薬剤はみつからなかった。局在異常を改善する薬剤は同定されなかった。αDGの糖鎖修飾を改善する薬剤も複数同定した。また疾患由来iPSCをもちいて大脳皮質オルガノイドを作成した。大脳皮質オルガノイドでは脳表のαDGの低下がみられた。
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