自律神経を中心とした臓器間ネットワークが、臓器間の代謝情報のやり取りと個体レベルでの糖代謝恒常性維持に重要な役割を果たしている。本研究ではこれまでの成果を発展させ、迷走神経シグナルによる膵β細胞の増殖機構について、関与する神経因子についてはアセチルコリンとPACAPの組み合わせが重要であること、膵β細胞内の分子機序は、FoxM1経路による細胞周期回転の亢進が細胞増殖につながること、さらに、腹腔内迷走神経の活性化によりインスリン分泌亢進(急性作用)と細胞増殖(慢性作用)が生じることを明らかとした。
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