研究課題
I.レプチンのトランスレーション研究我々は、医師主導治験で全身性脂肪萎縮症、先天性部分性脂肪萎縮症に対するレプチン補充治療の有効性と安全性を世界で最初に報告し、2013年にはPMDAの承認を世界で最初に得た。特に部分性脂肪萎縮に対する承認は其の後の経過においても世界で我が国だけである。一方、注目された脂肪萎縮症に関する非典型症例の報告が相次ぎ、レプチン治療の有効性と安全性が注目されている。これらの非典型症例の病因は不明で、発症時期も多様であり、特に非典型部分性脂肪萎縮症は、残存脂肪組織と萎縮脂肪組織の分布が多様で、血中レプチン濃度も、低値、正常低値、正常高値、異常高値を呈することを超高感度の血中レプチン測定法を開発して明らかにした。これをベースにしてレプチン治療の有効性と安全性を検討するためのラットモデルの開発に成功した。また、脂肪萎縮症の診断と治療に対するガイドラインを委員長として作成し(日本内分泌学会)発刊した。II.CNP/GC-B系のトランスレーション研究軟骨無形成症における内軟骨性骨化障害による頭蓋骨の変形は脊髄障害を起こすが、整形外科的「骨延長術」では改善不能であり、重要な研究課題となっている。軟骨無形成症モデルマウスとCNPTgマウスと交配して、CNP/GC-B賦活治療は頭蓋骨の変形を改善することを明らかにし、臨床的には診断後出来るだけ早期からCNPアナログの投与が有効であることを示唆した。更に血管内皮細胞と血管平滑筋細胞に発現するCNP/GC-B系は動脈硬化の抑制に関与する可能性をマウスとラットモデルにて明らかにした。また、CNP/GC-B系が摂食抑制作用を有するがこの作用に報酬系関与の有無を検討中である。
2: おおむね順調に進展している
I.レプチンのトランスレーション研究部分性脂肪萎縮に対するレプチン治療の承認は世界で我が国だけである。一方、注目された脂肪萎縮症に関する非典型症例の報告が相次ぎ、レプチン治療の有効性と安全性が注目されている。これらの非典型症例の病因は不明であり、発症時期も多様で、特に非典型例の部分性脂肪萎縮症は、残存脂肪組織と萎縮脂肪組織の分布が多様であり、血中レプチン濃度も、低値、正常低値、正常高値、異常高値を呈することを超高感度の血中レプチン測定法を開発して明らかにした。これをベースにしてレプチン治療の有効性と安全性を検討するためのマウスモデルに加えてラットモデルの開発に成功した。また、稀少疾患である脂肪萎縮症の診断と治療に対するガイドラインを委員長として作成し(日本内分泌学会)発刊した。II.CNP/GC-B系のトランスレーション研究軟骨無形成症における内軟骨性骨化障害による頭蓋骨の変形は脊髄障害を起こすが、整形外科的「骨延長術」では改善不能であり、重要な研究課題となっている。軟骨無形成症モデルマウスとCNPTgマウスと交配して、CNP/GC-B賦活治療は頭蓋骨の変形を改善することを明らかにし、臨床的には診断後出来るだけ早期からCNPアナログの投与が有効であることを示唆した。軟骨無形成症における重要課題である脊髄神経障害の解決策としてCNP治療は期待できる。更に血管内皮細胞と血管平滑筋細胞に発現するCNP/GC-B系は動脈硬化の抑制に関与する可能性をマウスとラットモデルにて明らかに出来た。この成果は生活習慣病の最終病変としての動脈硬化に対する治療標的として期待できる。また、CNP/GC-B系が摂食抑制作用を有するがこの作用に報酬系関与の有無を検討中である。中枢作用については投与法の検討を要する。
I.レプチンのトランスレーション研究部分性脂肪萎縮に対するレプチン治療の承認は世界で我が国だけである。一方、注目された脂肪萎縮症に関する非典型例の報告が相次ぎ、レプチン治療の有効性と安全性が注目されている。これらの非典型症例の病因は不明であり、発症時期も多様で、特に非典型例の部分性脂肪萎縮症は、残存脂肪組織と萎縮脂肪組織の分布が多様であり、血中レプチン濃度も、低値、正常低値、正常高値、異常高値を呈することを超高感度の血中レプチン測定法を開発して明らかにした。脂肪萎縮症に対する診断法としての検査法の申請・承認を進めるこれをベースにしてレプチン治療の有効性と安全性を検討するためマウスモデルに加えてラットモデルの開発に成功した。これを用いて種を超えたレプチン治療の可能性を検討し、実用化を推進する。II.CNP/GC-B系のトランスレーション研究軟骨無形成症における内軟骨性骨化障害による頭蓋骨の変形は脊髄障害を起こすが、整形外科的「骨延長術」では改善不能であり、重要な研究課題となっている。軟骨無形成症モデルマウスとCNPTgマウスと交配して、CNP/GC-B賦活治療は頭蓋骨の変形を改善することを明らかにし、臨床的には診断後出来るだけ早期からCNPアナログの投与が有効であることを示唆した。軟骨無形成症における重要課題の解決策としてCNP治療は期待できるので、現在の国際的治験の加速化を進める。血管内皮細胞と血管平滑筋細胞に発現するCNP/GC-B系は動脈硬化の抑制に関与する可能性をマウスとラットモデルにて明らかに出来たので、臨床応用へのステップを推進する。また、CNP/GC-B系が摂食抑制作用を有するが、中枢作用についてはペプチド性CNPアナログでは難しく、低分子CNPアナログなどの探索が必要でそれについても検討する。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件)
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