研究実績の概要 |
2019年度にはPAICS阻害剤の抗白血病効果を各種AML細胞株で確認し、PACIS阻害によりAML細胞株が細胞周期停止、アポトーシスをきたすこと をみいだし、ヒト化白血病モデル(PDX)を用いて、in vivoにおけるPAICS阻害剤の抗白血病効果、正常造血に及ぼす影響を明らかにした。また 、PAICSの機能的アミノ酸を同定するためにsaturation mutagenesisを行うとともに、PAICS阻害剤存在下での、全ゲノムCRISPR/Cas9スクリー ニングよりPAICS阻害剤の薬剤耐性機構および、synthetic letalに作用する遺伝子群を特定した。さらに、PAICSの抗腫瘍効果に関しては、250 例の悪性リンパ腫の臨床検体のトランスクリプトーム解析より、PAICSとc-MYCの発現が強く相関すること、PAICS強発現群が著しく予後が不良 なこと、c-MYCがPAICS遺伝子の転写を直接制御していることを見いだした。さらに、CRISPRスクリーニングの解析ツールをハーバードのグループと共同研究で、以下の2報の論文を発表した。 1. Schoonenberg V.A.C., Cole MA, Yao Q, Macias-Trevino C, Sher F, Schupp PG, Canver M.C., Maeda T, Pinello L, Bauer DE. CRISPRO: identification of functional protein coding sequences based on genome editing dense mutagenesis. Genome Biology, 2018 Oct 19;19(1):169. 2. Canver M.C., Bauer DE, Maeda T, Pinello L. DrugThatGene: integrative analysis to streamline the identification of druggable genes, pathways, and protein complexes from CRISPR screens. Bioinformatics, 2018 Nov 5.
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