研究課題
新規に開発したモニタ内蔵コネクタと長期耐久性に優れる膜型人工肺および遠心血液ポンプをプレコネクトしたヘパリンコーティングの血液回路(ディスポーザブルユニット)と、ポンプ駆動モータと各種モニタ機器をコンパクトに一体化した駆動装置(ドライブユニット:W298 x D205 x H260 mm、6.8 kg)から成る超小型ECMOシステムの試作品を対象として、標榜する2週間の2倍の4週間にわたる長期慢性動物試験を行った。成ヤギ3例(48, 50, 49 kg)に対して本システムによるV-A ECMOを導入し、活性化凝固時間が150 - 200秒の範囲に収まるように極微量のヘパリン持続投与を行なった。バイパス血流量は、2.0 - 3.0 L/minの範囲に収まる様に適宜ポンプ回転数を調節した。4週間の過酷条件であったにも関わらず、全例にて人工肺性能や血液ポンプ性能の低下を認めず、交換を要することなく連続で使用可能であった。ECMO使用後の血液回路観察では、新規に開発したモニタ内蔵コネクタを含め人工肺および血液ポンプのいずれもほぼ血栓を認めなかった。専用に開発した脱血および送血カニューレについても、生物学的安全性試験および過酷条件での機械的耐久性試験を実施し、いずれも問題なかった。PMDA相談に基づき、当施設が代表となり、大阪大学医学部附属病院と関西医科大学総合医療センターが参加施設となる医師主導治験の準備を進めた。循環補助を主体するV-Aバイパス方式と呼吸補助のためのV-Vバイパス方式の両方を含めた血液灌流方式が選択可能で、当施設の大型ドクターカーのみECMO装着患者の搬送を可能とする斬新な計画を策定した。当施設内IRB審査の承認を経て、その後のPMDA30日審査に伴う照会事項回答も終了し、本年度末に医師主導治験を開始することができた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 5件)
人工臓器
巻: 48 ページ: 163-167
10.21037/jtd.2019.12.113
Artif Organs
巻: 43 ページ: 821-827
10.1111/aor.13459