研究課題
①培養α細胞株αTC1-6を用いてGluOCがGLP-1産生増加を促す機序を検討した。GluOC刺激は細胞内Ca2+上昇を惹起しなかったがcAMP増加を誘導した。また、GLP-1産生はインスリンによって増加したことからラ氏島内ではβ細胞からのパラクライン作用を介した相互作用の存在が示唆された。②GluOCの作用が最も顕著に現れる脂肪組織特異的にGluOC受容体GPRC6Aを欠損したマウス(adG6AKO)マウスを作成し、解析した。雄では高脂肪高ショ糖食飼育で著しい脂肪細胞の肥大と肝臓への脂肪蓄積が見られたが、雌ではほとんど変化が見られなかった。網羅的解析の結果、雄性adG6AKOの脂肪組織では炎症に関わる遺伝子群の発現が変化しており、GPRC6Aを介した炎症性シグナルの変化が性差のキーとなる分子である可能性が分かった。③妊娠母体の栄養状態によってDNAメチル化状態に変動が見られた産仔の遺伝子のうち、特にグリコーゲン分解に関わる遺伝子のプロモーター領域に着目して解析した。その結果、母体の栄養状態に加えてGluOC摂取の有無に応じてグリコーゲン分解が制御されていること、また、ダイオキシン受容体として知られるArylhydrocarbon receptorがグリコーゲン分解において重要な役割を担っていることが明らかになった。④GluOCを経口摂取したマウスは回転かごによる運動を頻繁に行うようになり、また回転数が増加した。このことはGluOCによって自発運動を好むようになり、運動能力が高まることを示めす。運動後には血中乳酸値が上がるが、GluOCを摂取したマウスでは上昇が認められなかった。また、肝臓、骨格筋、白色脂肪組織などで脂肪酸を分解し、その代謝系を活性化する酵素群の遺伝子の増加も認められた。加えて骨格筋細胞株C2C12でGluOCによるブドウ糖の取り込みの促進を観察した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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