研究課題/領域番号 |
17H01608
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
水流 聡子 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80177328)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 看護計画 / 看護記録 / 質 / 超過勤務 / 超過勤務時間 / 超過勤務支払額 |
研究実績の概要 |
本研究では,業務を圧迫している看護計画の立案・看護実施記録に対して,適切な状態認識に基づく適切な計画立案と確実な実施とその記録化,データ分析に基づく看護の質評価と改善の PDCAサイクルが組み込まれた看護支援システムを,多数臨床現場とのアクションリサーチによって開発する. 本研究は,①構造化臨床看護知識コンテンツ開発,②①を用いた看護計画立案&記録支援システム開発(研究代表者所有アプリケーションソフトの改良),③②を用いたアクションリサーチ(病院看護・在宅看護), ④③のデータを用いた臨床看護サービスの質マネジメントシステムモデル開発,から構成される. 平成29年度(2017年度)は,組織化を実行し共同研究および必要とする倫理審査の検討と準備を行った.研究総括は倫理審査申請・各グループと各組織へのサポートと水流研究室開発所有のITアプリケーションの改良を行い,構造化臨床看護知識コンテンツ開発グループは病院グループ・在宅グループが必須とするコンテンツの特定と開発を行い,臨床看護サービスの質マネジメントシステムモデル開発グループは初期モデル案の検討を行い,病院グループは院内の組織化・導入手順の設計・教育方法の検討を実施し,在宅グループは関連組織との調整・導入手順の設計・教育方法の検討を行った.また,研究成果のアウトプットとして,国内学会・国際学会での発表を行った. アクションリサーチとしては,各病院の看護記録の質評価調査と超過勤務時間及び支払額に関する調査のフレームワーク開発とパイロット調査を実施した.看護記録(観察)は,バイタルサインとin/outが80%以上の記録率に対し,系統機能別観察については50%前後で,異常がなければ記録しない傾向が顕著であった.400床の急性期病院で年間3000~8000万円の超過勤務手当が支払われていることが明らかになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に対して,アクションリサーチ参加病院の状況により,情報システム開発検討に変動があったが,現時点では目標状態に達している状況にある.
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今後の研究の推進方策 |
看護計画・記録のための,臨床看護知識の構造化コンテンツ(略称:看護ナビコンテンツ)の開発は,H30 年7月稼働のアクションリサーチ参加A病院ため,順次開発する.当該病院での開発と,コンテンツレビューとその修正,標準化レビューへと進展させる. アクションリサーチ参加病院における「看護記録の質調査」「超過勤務時間・超過勤務支払額調査」を各病院の状況に応じて実施する. システム開発は,H30 年7月稼働のアクションリサーチ参加A病院に適用させたシステム仕様の基本設計を行い,システム稼働後にPDCAを回して必要とする機能の特定を行う. 本システムを用いた運用モデルを開発する, 日本看護管理学会学術集会のインフォメーションイクスチェンジに応募し,他病院への研究成果の周知を図る.
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