研究実績の概要 |
近年の深刻で重大な社会問題の一つは、独居高齢者等の社会的孤立・孤独、ひいては社会的孤立・孤独死である。申請者らは、高齢者の社会的孤立・孤独の要因は、高齢者を取り巻く近隣・地域・社会におけるmimamori(見守り)の弱体化にあり、また同概念は、‘Mi’=見るという気付きや認識(Neighborhood watch & Perception)および‘Mamoru’=守るという技術や行動(Community networking & Action)からなることを明らかにし、さらにその社会の集団効力を測定する日英両言語の指標の開発に成功した(Kono & Tadaka: Community Commitment Scale, 2015; Tadaka.,et al.:Community’s Self-Efficacy Scale, 2015)。残る課題は、独居高齢者の社会的孤立・孤独の予防に資する高感度の認識と機動的な技術を有した社会の具現化である。本研究は独居高齢者の社会的孤立予防に向けた民産官学共創による見守りGood-Practice(GP)モデルを構築するとともに、同モデルを社会実装することである。GPモデルの構成要素(案)は①Target(見守りの対象基準)、②Subject(見守りの実施主体)、③Action “Neighborhood watch:近隣見守り”“Community network:コミュニティネットワーク”)におけるWhy(動機)・What(種類)・How(様式)、④Outcome(効果)とする。 本年度は、これまで収集してきた多地域の対象者について、属性等の特徴を把握するとともに、一部地域において高齢者を対象に、モデル介入を実施し、介入後評価指標の測定を行った。
|