研究課題/領域番号 |
17H01624
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福士 謙介 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 教授 (30282114)
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研究分担者 |
渡部 徹 山形大学, 農学部, 教授 (10302192)
渡辺 幸三 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (80634435)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 気候変動適応 / 東南アジア / 環境と健康 / データベース構築 / 現地観測技術 / 暑熱環境 / 水系感染症 / ベクター感染症 |
研究実績の概要 |
【暑熱環境班】暑熱環境の解析をベトナム(ハイフォン、フエ、ダナン)、インドネシア(メダン市、スラバヤ市、デンパサール市、北スマトラ州、東ジャワ州、バリ州)において、現在、将来に関して実施し、計算結果、計算するために必要なデータの収集と整理を行った。一方、国立環境研究所・気候変動適応センターとアジア太平洋気候変動適応情報プラットホーム(AP-PLAT)における本事業で収集整理したデータの効率的な格納方法、表示方法に関して検討し、2020年までには同プラットホーム上で本事業の成果を公表可能にする方向で検討することとなった。 【水系感染症班】ベトナム・フエを対象に、カウンターパートの協力を得ながら、洪水時の溢水のサンプリングを実施した。また,洪水時と平常時の感染症発生状況を把握するため、都市下水のサンプリングも実施した。そこで採取したサンプルからは、感染症リスク評価に必要な糞便汚染指標細菌(大腸菌、腸球菌)やノロウイルスの検出をそれぞれ行った。さらに、農作物の汚染を介した間接的な感染症リスクを検討するために、都市下水に起因する都市近郊農地の汚染に関する情報収集も行った。 【ベクター感染症班】前年度から継続して、インドネシア全土およびフィリピン全土から各国のカウンターパートと協力して、デング患者の疫学データを国際機関と国の保健機関から収集した。また、デング熱小児患者の心理的負担(うつ病率等)についてのデータも収集し、約2割のデング熱小児患者がうつ病を発症していることを明らかにした。さらに、トラップを使った蚊生息数データの収集を、マニラおよびバンドンで継続的に行った。蚊に刺された場所と時間データをスマートフォンを介して広範囲から収集するアプリを開発できた。インドネシアを網羅する約8割の県を対象として、各県の気象変数からデング熱感染リスクを予測する機会学習モデルを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3つの研究班のいずれでも、研究開始時の年次計画通りに研究が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も、研究開始時の年次計画通りに研究を推進する。ただし、上記の通り、本研究で構築するデータベースについては、地球環境情報統融合プログラム(DIAS)での公開を予定していたが、気候変動適応情報プラットフォーム(AP-PLAT)に変更することとした。
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