研究課題/領域番号 |
17H01636
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉田 修 広島大学, 社会科学研究科, 教授 (60231693)
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研究分担者 |
北川 将之 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (00365694)
上田 知亮 東洋大学, 法学部, 准教授 (20402943)
石坂 晋哉 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (20525068)
田辺 明生 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30262215)
油井 美春 広島大学, 現代インド研究センター, 特任助教 (50634440)
志賀 美和子 専修大学, 文学部, 教授 (80401157)
木村 真希子 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (90468835)
舟橋 健太 龍谷大学, 社会学部, 講師 (90510488)
中溝 和弥 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90596793)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | インド / 州政治 / 民主主義 / 比較 / 国際共同研究 / 安定 |
研究実績の概要 |
6月に第1回研究会兼打合せ会を行い、メンバーがそれぞれの分担部分について自発的に研究計画を策定し、実施すること、年間2回の研究会を開催してそのうち1回はインド側研究者との国際セミナーとすること、メンバーは研究期間中に2回ずつの研究報告を行うこと等について合意した。メンバーはそれぞれの研究計画に基づき、現地調査等を行った。打合せ会後の研究会としては1月に国内研究会を東京で開催したほか、先行科研の最終年度に国際セミナーをインドのバンガロールで共同で開催した同地の社会経済変化研究所(ISEC)から3名の研究者を迎えて、11月に公開の国際セミナー「Peace and Stability through Decentralization」を広島大学で開催した。国際セミナーの開催に先立ち、同研究所の研究者1名を先行的に迎えて、英語を使用した科研研究会(こちらは非公開)も開催した。したがって、本年度の科研研究会は3回の開催(日本語2回、英語1回。英語での開催は国際セミナーを加えると2回)となった。 ISECとは、研究代表者を中心に、比較州政治研究の手法や内容についての協議を行った。特にISEC側からの、各州の特徴的な政策イニシアチブが全国化していく過程を検討すべきとの問題提起は、今後の研究方向に大きく影響を与える可能性があるが、同時に日本側との研究関心の位相の微妙なずれをも示している。このずれが、日印間の研究の相互補完性に発展することが期待される。 本科研の研究成果を対外的に発信するため、科研のホームページを作成し、一部を公開した。今後、科研メンバーによる現地調査報告や研究成果を積極的に公開し、比較州政治研究への政治学及び隣接諸科学からの関心を高める手段となることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本科研においては、比較州政治研究の重要性をインドの研究者と共有し、彼の地での研究活動を促すことを大きな課題としているが、国際セミナーを開催することで順調な第一歩を踏み出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度後半は、来年度早々に行われることが予想されるインド総選挙をめぐって活発な政治活動が行われると考えられるので、各メンバーはそれを見据えた準備が求められる。と同時に、インド側研究者に州政治研究の重要性を認識させることに徐々に成功するとともに、本科研メンバーとインド側研究者の共同研究を進める可能性について検討したい。比較州政治研究が具体的に何を比較するのか、という点で、比較すべき州政治の内実についてのより深い追求が求められるからである。関心や観点を異にする日印研究者による共同研究は、比較インド州政治研究をさらに進んだ段階に引き上げる可能性を持っている。
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