研究課題
アフリカの観光の現場では、開発支援とビジネス的要素を組み合わせながら、地域社会が抱える複数の課題を解決する観光形態が注目されている。本研究はこの最新の観光形態を「プロジェクト型観光」と位置づけ、関与する多様なアクターの整理、アクター間の目的の多層性、開始や普及過程、特徴などを分析した。そのうえで少数民族を含む地域社会がダイナミックに再編される複雑で重層的な過程と、そこにかかわるアクター間のポリティクスの解明を目指す。そして、アフリカの複数地域の比較検討を通じて、「プロジェクト型観光」が少数民族の直面している問題の解決にいかに寄与し、一方で新たな問題や矛盾を生じさせているのかを包括的に考察することを目的として進めてきた。本年度は、新型コロナウィルス感染症の影響で遅れていた現地調査を完了させた。ボツワナ、ケニア、タンザニア、エチオピアでの調査が進み、コロナ禍が観光に与えた影響の内実が明らかにされた。その結果、感染症流行だけでなく、観光業の盛衰と自然保護やジェンダー問題に関連するプロジェクトとのあいだの複雑な相互作用の詳細が分析されるとともに、気候変動や内戦、獣害などが観光業を営む地域社会に与えている影響などにも研究が拡大した。また最終年度として、国内外で研究成果の公表につとめ、国内の先住民観光地でのワークショップ、観光学術学会でテーマセッション、そしてタンザニアのTanzania Wildlife Research Instituteでの国際シンポジウムを組織し、本研究計画の成果をまとめて報告し、議論を深めることができた。また各自が論文や書籍としても、和文・英文で成果を公表した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (41件) (うち国際学会 12件、 招待講演 9件) 図書 (12件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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