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2018 年度 実績報告書

古道・関塞遺址調査に基づく前近代中国主要交通路の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17H01643
研究機関京都大学

研究代表者

辻 正博  京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (30211379)

研究分担者 小方 登  京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (30160740)
福原 啓郎  京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (60221537)
塩沢 裕仁  法政大学, 文学部, 教授 (70414076)
小島 泰雄  京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (80234764)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード関所 / 古道 / 直道 / 中国古代
研究実績の概要

2018年度は、中国における現地調査を3回、研究推進のための会議を2回実施した。
(1)現地調査の概要
①2018年8月調査:甘粛省敦煌市から玉門市・嘉峪関市にかけてレンタカーを借り上げて漢代~唐代にかけての関所および古道に関連する史跡を踏査した(敦煌博物館、玉門関遺跡、河倉城遺跡、沙州古城遺跡、懸泉置遺跡、鎖陽城遺跡、嘉峪関関城)。②2018年11月調査:陝西省咸陽市~延安市にかけてレンタカーを借り上げて秦漢時代の古道(直道)およびそれに関連する史跡を踏査した(咸陽市博物館、鄭国渠遺跡、富県直道遺跡、甘泉県直道遺跡、子午道、沙河橋梁遺跡)。③2019年2月調査:北京市・河北省内に展開する大行古道に関連する史跡を、レンタカーを借り上げて踏査した(西周燕都遺跡博物館、燕下都遺跡、紫荊関、飛狐峪、鷄鳴駅、秦漢上谷郡遺跡、居庸関)。
(2)研究推進会議の概要
①2018年6月会議では、当該年度の活動内容を決定するとともに、研究分担者の小方登教授がアジア乾燥地帯における農耕(農地)・灌漑遺構および河西回廊のオアシス都市について、衛星画像の解析結果を中心に報告を行なった。また、研究協力者の宇都宮美生氏から、本科学研究費の研究成果として、一般向けの調査結果概説書の刊行について具体的な提案(黄河故道を事例に取ったプランの提示)があった。②2018年9月会議では、同年11月に行う調査の最終打合せを行う都とともに3名から史跡に関する研究報告が行われた(宇都宮美生氏:鄭国渠、小方登:中国古代の灌漑・治水遺構、辻正博:武周期における潼関の廃置と神都の四面関)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

中国における現地史跡調査については、前年度に繰り上げて実施した分があったため、本来次年度に実施予定の河西回廊方面の古道・関所調査を行うことができた。ただ、この地域の文化財に対する規制が事前に調査した以上に厳しくなっていたため、再度の補充調査は見送ることになりそうである。研究推進会議については、年3回開催予定のところ、研究メンバーの一人が在外研究で1年間上海に出張したため、2度の開催とした。その分、上海滞在のメンバーには、現地における文献資料収集・史跡の実地調査を精力的にやってもらい、その成果はグループによる現地調査に十分反映された。資料収集・整理の面でも、衛星写真画像の収集を中心に順調に進展している。

今後の研究の推進方策

現地調査について、当初予定していた調査地点を若干変更する可能性が出てきた。前項にも記したとおり、現在、中国の文化財保護当局は辺境における文化財保護を厳格化しつつあり、そのため外国人による史跡調査に支障が出てきている(事前申請の厳格化に加えて、縦割り行政による手続きの煩瑣化により、実質的に調査の実施が極めて困難になりつつある)。そのため、そのため、当初計画にはなかった河北ブロック(北京と洛陽を結ぶ地域)の調査を重点的に行う予定である。予算的には河西回廊調査よりも安上がりになる目算であり、調査実施に際しての手続きも簡素で済む見通しである。こうした計画変更に伴い、今年度は研究推進会議を3度開催し、現地調査実施が順調に進むように期することとする。衛星写真画像の収集など史料収集についても継続して行い、メンバー間での情報共有を行う。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 柏林国立図書館蔵《玉篇》残片小考2019

    • 著者名/発表者名
      辻 正博
    • 雑誌名

      絲綢之路与新疆出土文献―旅順博物館百年紀念国際学術研討会論文集

      巻: 1 ページ: 569-574

  • [雑誌論文] 改革開放は中国をいかに変えたのか2019

    • 著者名/発表者名
      小島泰雄
    • 雑誌名

      地理

      巻: 64-4 ページ: 2-9

  • [雑誌論文] 穀水(澗河)流域の標点遺跡と穀水古河道の遺構2019

    • 著者名/発表者名
      塩沢裕仁
    • 雑誌名

      『水経注疏訳注』穀水編

      巻: 1 ページ: 5-36

  • [雑誌論文] 唐律における流刑の本質―恩赦との関係を中心に―2018

    • 著者名/発表者名
      辻 正博
    • 雑誌名

      東洋史研究

      巻: 77-2 ページ: 1-26

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 《政事要略》所引《會要》内容小考2018

    • 著者名/発表者名
      辻 正博
    • 雑誌名

      法律史訳評

      巻: 6 ページ: 125-137

  • [雑誌論文] 江門農村における開発と保護2018

    • 著者名/発表者名
      小島泰雄
    • 雑誌名

      地域と環境

      巻: 15 ページ: 19-28

  • [学会発表] 函谷関・潼関歴史和地理―通過衛星図片・考古方式的探査2019

    • 著者名/発表者名
      塩沢裕仁
    • 学会等名
      陝西師範大学西北歴史環境与経済社会発展院講座
    • 招待講演
  • [学会発表] 王溥『唐会要』のテキストをめぐって―研究のあゆみを中心に―2018

    • 著者名/発表者名
      辻 正博
    • 学会等名
      六朝史研究会
  • [学会発表] 王溥『唐会要』のテキストをめぐって―近年の資料環境の変化を承けて―2018

    • 著者名/発表者名
      辻 正博
    • 学会等名
      唐代史研究会夏期シンポジウム
  • [学会発表] 敦煌・トルファン出土唐代法典文献の残存形態2018

    • 著者名/発表者名
      辻 正博
    • 学会等名
      総括国際シンポジウム「断片がつなぐ世界各地の吐魯番出土文書コレクション」
    • 国際学会
  • [学会発表] 潼関と神都―武周時代の四面関―2018

    • 著者名/発表者名
      辻 正博
    • 学会等名
      六朝史研究会
  • [学会発表] 基於実地考察思考珠江三角洲農村的変化2018

    • 著者名/発表者名
      小島泰雄
    • 学会等名
      2018中国地理学大会
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] シンポジウム:中国改革開放40年の再考―フィールド調査の経験から―2018

    • 著者名/発表者名
      小島泰雄、小野寺淳、高橋健太郎
    • 学会等名
      日本地理学会2018年秋季学術大会
  • [学会発表] 辛い四川料理とモンスーンアジア2018

    • 著者名/発表者名
      小島泰雄
    • 学会等名
      日本地理学会2018年秋季学術大会
  • [学会発表] 日本的禅茶文化与中国漆器2018

    • 著者名/発表者名
      塩沢裕仁
    • 学会等名
      南京師範大学考古学系列講座
    • 招待講演
  • [図書] 中国農村社会の歴史的展開―社会変動と新たな凝集力2018

    • 著者名/発表者名
      内山雅生編、小島泰雄
    • 総ページ数
      263
    • 出版者
      御茶の水書房
    • ISBN
      4275020952

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公開日: 2019-12-27  

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