研究課題/領域番号 |
17H01647
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山口 徹 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (90306887)
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研究分担者 |
山野 博哉 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 領域長 (60332243)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ジオ考古学 / 歴史人類学 / オセアニア / 環礁社会 / 天水田農耕 / 熱帯サイクロン / 脆弱性 / レジリエンス |
研究成果の概要 |
オセアニアの貿易風帯に点在する環礁の1つ、北部クック諸島プカプカ環礁を対象に気象災害に対する小島嶼社会の脆弱性とレジリエンスを、ジオ考古学と歴史人類学の手法で通時的に解明した。特に熱帯サイクロンは、環礁社会の生計を支える天水田に塩害を引き起こす。島外からの救援物資が得られる現代でさえ、その復興には5年以上の歳月を要した。支援が期待しえない先史期の環礁社会はより脆弱だったはずである。天水田はAD14世紀に構築され始め、16世紀ごろに数を増し、いくつかは数度にわたって再掘削されきた。こうした考古学的な証拠は、サイクロン被害に対するレジリエンス(復興戦略)の一つのあり方と解釈できる。
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自由記述の分野 |
ジオ考古学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オセアニアの環礁社会は、地球温暖化問題の文脈のなかで、しばしば言及されてきた。しかし、その多くはキリバスのタラワやマーシャル諸島のマジュロ、ツアモツ諸島のランギロアといった人口密集の都市化した環礁だった。赤道付近の貿易風帯には、これら以外にも環礁が数多く点在しており、北部クック諸島のプカプカは離島環礁の典型例である。天水田農耕は陸上資源に乏しい環礁生態系のなかで、島民の自律的な生計を支える文化景観である。過去から現在にいたるまで、その景観の動態性を通時的に把握した成果は、これら離島環礁のローカルで自律的なレジリエンス(復興戦略)を高めるために役立つはずである。
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