原子核乾板による暗黒物質の検出 －グランサッソー地下における本格展開－

2017 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 17H01661
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 中村 光廣 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (90183889)
• 研究分担者: 中 竜大 名古屋大学, 現象解析研究センター, 特任助教 (00608888) ; 佐藤 修 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (20377964) ; 田中 雅士 早稲田大学, 理工学術院, 准教授(任期付) (30545497) ; 中野 敏行 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (50345849) ; 吉田 斉 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (60400230)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 暗黒物質 / 原子核乾板

研究実績の概要

超高解像度の原子核乾板により、宇宙の暗黒物質の衝突によって生じる～100nm長の反跳原子飛跡をとらえ、反跳方向の偏りを検出する事により、暗黒物質の直接検出を行う実験を推進している。
本研究では、原子核乳剤製造装置を、LNGS地下に設置し、乳剤の製造・塗布・照射・現像を地下で一貫して行う体制を構築、低BGで背景事象の理解を進める。また並行して解析システム系の実装・運用を行い100 g級実験を遂行、世界初となる方向感度を持った探索による暗黒物質への制限を与えると共に、DAMA実験が信号を捕らえたとクレームしている領域をカバーする本格物理実験への課題を洗い出す。
今年度は、LNGS地下で建設中のNEWSdm実験地下ファシリティの整備、低BG環境の構築を継続しておこなった。またグランサッソー地下へ持ち込む乳剤製造装置の制作・組み立てを名古屋でおこなった。
中性子BGの計測関連では、HTS搭載による反跳飛跡検出アルゴリズムの高速化を図った。暗黒物質プロトタイプ実験に関しては、グランサッソー地下で10g規模の照射を行い現状のバックグラウンドレベルを測定した。また並行して信号/バックグラウンド選別に関して、過度の定着により、信号の飛跡は消滅するが、バックグラウンドは消えないことを確認し、この特徴を用いて逆に信号/バックグラウンドを選別するという手法を新たに発明し、方向性探索において世界最高感度を達成できる見込を得て、現在その評価を行っているところである。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

研究成果

• [国際共同研究] グランサッソー地下研究所/ナポリ大学/ローマ大学(イタリア)
  • 国名: イタリア
  • 外国機関名: グランサッソー地下研究所/ナポリ大学/ローマ大学
  • 他の機関数: 3
• [国際共同研究] METU(トルコ)
  • 国名: トルコ
  • 外国機関名: METU
• [国際共同研究] JINR/SIMP/LPI(ロシア連邦)
  • 国名: ロシア連邦
  • 外国機関名: JINR/SIMP/LPI
• [雑誌論文] Direction Sensitive Direct Dark Matter Search with Super-High Resolution Nuclear Emulsions (2017)
  • 著者名/発表者名: Tatsuhiro Naka for the collaboration （NEWSdm Collaboration )
  • 雑誌名: PoS KMI2017 巻: 2017 ページ: 018
  • DOI: 10.22323/1.294.0018
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] The development of a super-fine-grained nuclear emulsion (2017)
  • 著者名/発表者名: Takashi Asada (Nagoya U.), Tatsuhiro Naka (KMI, Nagoya), Ken-ichi Kuwabara, Masahiro Yoshimoto (Nagoya U.)
  • 雑誌名: PTEP 巻: 2017 ページ: 063H01
  • DOI: 10.1093/ptep/ptx076
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] WIMP tracking with cryogenic nuclear emulsion (2017)
  • 著者名/発表者名: M. Kimura et al.,
  • 雑誌名: Nucl.Instrum.Meth. 巻: A845 ページ: 373-377
  • DOI: 10.1016/j.nima.2016.06.052
  • 査読あり / 国際共著
• [学会発表] 超微粒子原子核乾板の荷電粒子に対する発光応答の評価 (2018)
  • 著者名/発表者名: 白石卓也
  • 学会等名: 日本物理学会 第73回年次大会
• [学会発表] エマルジョン暗黒物質探索実験NEWSdm（1）～グランサッソ地下実験の現状報告～ (2018)
  • 著者名/発表者名: 梅本篤宏
  • 学会等名: 日本物理学会 第73回年次大会
• [学会発表] エマルジョン暗黒物質探索実験NEWSdm（2）～高速飛跡読み取り装置開発の現状報告～ (2018)
  • 著者名/発表者名: 小林龍太
  • 学会等名: 日本物理学会 第73回年次大会
• [学会発表] エマルジョン暗黒物質探索実験NEWSdm（3）～次期地下実験に向けた検出器の光学応答の理解と改善～ (2018)
  • 著者名/発表者名: 福沢佑哉
  • 学会等名: 日本物理学会 第73回年次大会
• [学会発表] NEWSdm experiment; Direction Sensitive Dark Matter Search with Super-high Resolution Nuclear Emulsions (2017)
  • 著者名/発表者名: Tatsuhiro Naka
  • 学会等名: Exploring the Dark Universe
  • 国際学会
• [学会発表] NEWSdm Nuclear Emulsions for WIMP Search- directional measurement (2017)
  • 著者名/発表者名: Atsuhiro Umemoto
  • 学会等名: CYGNUS 2017
  • 国際学会
• [学会発表] 超微粒子原子核乾板読み取りのための高速自動飛跡読み取り装置の開発 (2017)
  • 著者名/発表者名: 小林龍太
  • 学会等名: 画像関連学会連合会秋季大会
• [学会発表] 局在表面プラズモン共鳴を用いた超微粒子原子核乾板(NIT)における超解像認識実現に向けた手法開発 (2017)
  • 著者名/発表者名: 福澤佑哉
  • 学会等名: 画像関連学会連合会秋季大会
• [学会発表] 超微粒子原子核乾板の荷電粒子による蛍光発光に関する研究 (2017)
  • 著者名/発表者名: 市来浩勝
  • 学会等名: 画像関連学会連合会秋季大会
• [学会発表] エマルジョン暗黒物質探索実験NEWSdm(1)～解析システムとグランサッソ地下でのテスト実験状況の報告～ (2017)
  • 著者名/発表者名: 梅本篤宏
  • 学会等名: 日本物理学会2017年 年次大会・秋季
• [学会発表] エマルジョン暗黒物質探索実験NEWSdm(2)～全体報告～ (2017)
  • 著者名/発表者名: 中竜大
  • 学会等名: 日本物理学会2017年 年次大会・秋季
• [学会発表] Nano Imaging Trackerの重イオンにおけるZ/β分解能の評価 (2017)
  • 著者名/発表者名: 多田 智美
  • 学会等名: 日本物理学会2017年 年次大会・秋季
• [学会発表] 超微粒子原子核乾板の荷電粒子に対する発光特性の評価 (2017)
  • 著者名/発表者名: 白石 卓也
  • 学会等名: 日本物理学会2017年 年次大会・秋季
• [備考] 名古屋大学 F研究室 ホームページ
  • URL: http://flab.phys.nagoya-u.ac.jp/2011/