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2020 年度 実績報告書

巻貝左右二型の共存動態と地理的変異の進化生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17H01673
研究機関信州大学

研究代表者

浅見 崇比呂  信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (10222598)

研究分担者 吉村 仁  長崎大学, 熱帯医学研究所, 客員教授 (10291957)
堀 道雄  京都大学, 理学研究科, 名誉教授 (40112552)
松野 健治  大阪大学, 理学研究科, 教授 (60318227)
遠藤 一佳  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80251411)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード左右性
研究実績の概要

東南アジアの樹上性マレイマイマイ属では、卵割の最初から左右逆に発生する鏡像型と実像型が同一の集団に共存する。内臓まで左右逆の二型が共存する現象は、カタツムリ以外の動物に類をみない。カタツムリでも99%以上の種・属は右巻か左巻のどちらか一方に固定している。樹上性有肺類のマレイマイマイ属は、その中で発生の鏡像型と実像型(左右二型)が同一種にみつかることが多いグループである。本研究の目的は、マレイマイマイ属で、発生の鏡像型と実像型(左右二型)が持続的に共存するメカニズム、および巻貝一般に特徴的な鏡像進化を抑制・促進する要因を検証し、左右性の生態機能を理解することにある。長期動態の追跡を行うために、毎年雨季に、方形区の二型頻度を継続調査することにより、頻度1:1 からの有意なずれが周期的な振動によるか否かを検証した。その結果、左右二型の頻度は0.5からは大きくずれている集団が多いことがあきらかとなった。左右二型は集団ごとに異なる平衡頻度にあると考えられる。調査の継続により、右巻あるいは左巻のみの単型集団にある種群は異なる分類群に属するものの、特定の地域の集団には左右二型が存続していることを発見した。どの集団にも左右二型が見つかる種群とは異なり、二型が一時的に存続している状態にあるかを知るにはさらなる動態調査が必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

左右二型の共存動態及びその地理的変異を明らかにするには長期生態調査が必須であり、これまでの調査結果の蓄積により、周期変動の実態と、その周期変動のパターンが地理的に著しく変化する実態をあきらかにしつつある。すなわち、有肺類を含めた巻貝、及び左右相称動物に成り立つ進化規則の予測に反する左右二型の進化・生態機構を解明するための基盤を固めるつつある。

今後の研究の推進方策

右巻あるいは左巻のみの単型集団にある種群は異なる分類群に属するものの、特定の地域の集団には左右二型が存続している事例に着目し、どの集団にも左右二型が見つかる種群とは異なり、二型が一時的に存続している状態にあるのかを動態調査によりあきらかにする。これらの互いに左右二型の共存動態が異なる種群の分子系統地理解析を推進する。

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公開日: 2021-12-27  

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