研究課題
本研究課題は,[課題1] モデリング手法,計算アルゴリズムの開発,[課題2] 台風データ駆動型シミュレータの開発,[課題3] 地震動データ駆動型シミュレータの開発の3つのサブ課題に分けて進めてきた.[課題1]では,昨年度に開発した反復型のアンサンブル変分法アルゴリズムを拡張し,ポアソン分布に従う計数データからモデルパラメータの推定を行う手法を新たに提案した.一方,モデリング手法に関しては,イベントの発生頻度をエコーステートネットワーク (echo statenetwork; ESN)で表現する新たなアプローチを提案した.これにより,イベント時系列データに基づいてパラメータを推定すれば,イベント発生に関するデータ駆動型シミュレータを構築することができるようになった.さらにこの手法をオーロラ嵐イベントの時系列データに適用し,オーロラ嵐の発生頻度の予測,シミュレーションに成功した.[課題2]では,ESNに基づいた新たな台風データ駆動型シミュレータを構築し,長期変動や季節変動を考慮した台風の確率モデルを実現するとともに,多数のシナリオ生成を行うことで台風到来頻度の評価を行った.[課題3]では,ガウス過程モデルに基づいた地震動のモデル構築を行う一方,固体地球科学における新たな応用課題として,地球内部起源の磁場について数年から数十年スケールの時間発展(永年変化)を表現するモデルをESNで構築した.また,得られたモデルが地球内部起源磁場の変動を高い精度で予測できることも示した.この成果は,本研究の枠組みが様々な分野に応用できる可能性を示すものと言える.
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 7件、 査読あり 5件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
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