研究課題
TM(トランザクショナルメモリ)の活用が普及しない原因の一つに,TMの適切な利用方法およびTMを効果的に使用可能なプログラムが認知されていないことが挙げられる.したがって,TMに適したプログラミング技法の体系化が必要であると考えた.そこでまず,TMを使用して性能が向上するプログラムと向上しにくいプログラムについて調査した.その結果,グラフ処理に分類される一部のアプリケーションでは,TMの利用により速度が向上しづらく,場合によっては低下することを確認した.そこで,グラフ処理をどのように記述すればTMによって性能を引き出せるのかについて検討し,グラフ処理プログラムの適切な改変方法について検討した.また,HTM(ハードウェアトランザクショナルメモリ)でトランザクションを実行できなかった場合にSTM(ソフトウェアトランザクショナルメモリ)にフォールバックして当該トランザクションを再実行する,ハイブリッドトランザクショナルメモリ(HyTM)において,STMにフォールバックした場合に性能が低下するという,HyTMが根源的に抱える問題に対し,HTMのためのハードウェア機構をSTM実行に活用することにより高速化する手法を提案した.STAMP ベンチマークを用いて評価を行ったところ,既存のHyTMと比較して最大 15.0%,平均 3.4%の実行時間削減を確認した.
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件)
The 4th cross-disciplinary Workshop on Computing Systems, Infrastructures, and Programming (xSIG 2020
巻: 1 ページ: -