研究課題/領域番号 |
17H01734
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荒川 伸一 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (20324741)
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研究分担者 |
滝根 哲哉 大阪大学, 工学研究科, 教授 (00216821)
小南 大智 大阪大学, 経済学研究科, 助教 (00709678)
村田 正幸 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (80200301)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 情報ネットワーク / 仮想ネットワーク / Internet of Things / Network of Networks / フラクタル |
研究実績の概要 |
本年度は、フラクタル特性を有する仮想IoT-NW構成手法として、通信ノード間の物理距離を制約条件とする仮想ネットワーク構成法を検討した。 IoT環境では莫大な数の機器がネットワークを構成するため、それら全ての接続関係を把握し、また、考慮しながらネットワークを構成することは困難である。そこで、本研究では脳機能ネットワークにおいて観察されるトポロジーのフラクタル性に着目している。本年度は、様々なネットワーク規模において物理距離を考慮することによって、高い通信効率および高い頑健性を備えたフラクタル仮想ネットワークの設計指針を示した。通信効率と頑健性の評価の結果、フラクタル仮想ネットワークは従来と比べて通信効率が30%以上改善されることを確認した。 また、IoTのための仮想ネットワーク構成手法として、複数のワイヤレスセンサネットワーク(WSN)が相互接続手法を考案した。考案した手法は、脳の大脳皮質で観察される連結モデルの1つである指数距離ルール則に基づいてネットワーク間リンクを割り当てている。数値計算にもとづいて評価を行った結果、考案手法により通信効率、ロバスト性、およコストの最適な組み合わせを有する仮想WSNトポロジーを構築できることを明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、計算機実験にもとづく検討を進め、高信頼かつスケーラブルなネットワーク構成法を示していることから順調に進展していると考えている。ただしフラクタル特性を有する仮想IoT-NW構成手法では、物理ノードがグリッド上に配置されている場合を対象とした評価を実施しており、今後IoT環境を想定したヘテロジーニアス配置の下での評価を進める必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に変更はないが、最近は国内外でIoTの活用事例の提案が活発になされており、引き続きアプリケーションの開発動向をウォッチしていく。
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