研究課題/領域番号 |
17H01750
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小野 謙二 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 教授 (90334333)
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研究分担者 |
高見 利也 大分大学, 理工学部, 教授 (10270472)
田上 大助 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 准教授 (40315122)
大島 聡史 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 助教 (40570081)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 時間並列処理 / 放物型偏微分方程式 / Parareal法 / パイプライン処理 / フェーズフィールドシミュレーション |
研究実績の概要 |
時間並列計算法の一つであるParareal法を放物型偏微分方程式であるフェーズフィールド法へ実装・適用し、その性能評価を行った。オリジナルのParareal法がもつ無駄な待ち時間を削減する手法としてパイプライン法を採用し、単純な3次元の拡散問題の時空間並列計算を対象に評価を実施した。この時、fine solverとcoarse solverの時間積分法はCrank-Nicolson法を用いているため、時間粗視化率はRfc=δT/δtと時間ステップ幅の比となっている。その結果、オリジナルのParareal法で8.6倍、パイプライン法により更に1.98倍の加速(全体で16.6倍)を確認した。この時、時間粗視化率はRfc=δT/δt=100である。つぎに、非線形の強いケースとして、フェーズフィールド法を対象に評価を行った。代表的な3つのモデル、非保存形のAllen-Cahn方程式、保存形の修正Allen-Cahn法とCahn-Hilliard方程式を対象とした。それぞれのモデルについて13倍、7倍、2倍の加速可能性を確認し、Parereal 法は非線形偏微分方程式も加速可能であること、また加速率は問題に依存することを確認した。双曲型偏微分方程式については、Parareal法はfine solverとcoarse solverのタイムステップ幅の違いによる各計算結果の位相精度の差による収束性の悪化が課題であることがわかった。高精度な手法であるCIP法による位相計算精度向上は効果的で、修正緩和法も有効であることが分かった。以上より、Parereal 法は非線形偏微分方程式も加速可能であること、また加速率は問題に依存することを確認した。さらに、非線形性の強い問題ではParareal法の反復修正の緩和法の高度化、coarse solver自体の並列化の可能性の追求等の必要性も確認した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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