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2017 年度 実績報告書

経路撮影に基づく歩行者・パーソナルモビリティナビゲーション基盤の構築

研究課題

研究課題/領域番号 17H01773
研究機関筑波大学

研究代表者

亀田 能成  筑波大学, 計算科学研究センター, 教授 (70283637)

研究分担者 北原 格  筑波大学, 計算科学研究センター, 准教授 (70323277)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードコンピュータビジョン / 映像解析 / 一人称映像 / 視覚障がい者 / 歩行支援 / 歩行ナビゲーション
研究実績の概要

本研究は,視覚障がい者の外出を促進することを狙って行われているものである.
本研究の実施の枠組みでは,まず準備として,視覚障がい者が歩きたいコース(歩行計画)を決め,そのコースに沿って,ボランティアの方が普通のカメラで映像を事前に撮影する.
視覚障がい者は本研究成果によるカメラシステムを身に付ける.コースに沿って歩くと,システムはコンピュータビジョン技術を用いて,コースのどこまで来たかを正確に推定することが可能になる.
コンピュータビジョンをベースとするアプローチは,屋内外と問わずに稼働できるという利点がある,コース風景の見た目が変わると現在位置推定がうまく行えないという問題点がああった.本年度の取り組みによって,複数のコース映像を統合して活用することが可能となり,この問題を解決することに成功した.この統合においては,映像と位置との照合が作業として手間となるため,1本だけ照合が済んだ映像があれば,2本目以降は位置との照合がなくとも,1本目の照合情報を基に自動的に照合結果を統合していく方法を新たに開発した.本手法では,用いる映像の本数が増えても,それに比例したオンライン処理コストにならないよう工夫してある.
さらに,この結果によるナビゲーション情報を,音声によってフィードバックする機構も実現した.これによって,実際に視覚障がい者が利用可能なレベルでのシステム構築まで到達することができた.
こうしたメインテーマの他,歩行中の前方の安全確認手法についても,研究を進めることができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)の「映像経路:誰でも簡単に用意できる枠組み」については,撮影者のスキルに頼らないよう,複数映像を統合して利用する枠組みを用意出来た.そうしたことから,順調に進んだと言える.
(2)の「経路上定位:経路線上の定位をロバストに実現」についても,(1)の複数映像による情報量増加を用いてロバストさを向上させることに成功した.
(3)の「空間誘導:空間的にわかりやすい指示による高精度かつ安定な誘導法」については,視覚障がい者のメンタルロードマップの在り方を解析し,それに合わせた適切な情報粒度の音声指示方法を実現し,概ね順調に進展させることができたといえる.

今後の研究の推進方策

事前取得映像を利用した本研究計画の手法を,他のセンサーとの組み合わせて頑健化する方向性について取り組んでいきたい.
視覚障がい者は,障害のレベル,年齢,歩行スキルなどが異なると,その支援すべき手法が大きく変えるべきであるという予備調査結果が出ている.また,ナビゲーションの高精度化については,まだ十分であるとは考えていない.そこで,次年度は,特に視覚障がい者へのフィードバック方法について研究を進める予定である.
また,視覚障がい者以外に,パーソナルトランスポーター機器を利用する人々の移動時の支援方法について研究を本格化させていく予定である.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 広視野画像と深度画像を利用した経路誘導のための性能評価2018

    • 著者名/発表者名
      南雲 悠太, 北原 格, 亀田 能成
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 技術研究報告MVE

      巻: vol.117, no.485 ページ: 5-9

  • [雑誌論文] ステレオ音と振動提示による視覚障害者誘導インタフェース2018

    • 著者名/発表者名
      小河原 洸貴, 宍戸 英彦, 北原 格, 亀田 能成
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 技術研究報告MVE

      巻: vol.117, no.485 ページ: 17-22

  • [雑誌論文] Image Based Location Estimation for Walking Out of Visual Impaired Person2017

    • 著者名/発表者名
      Kazuho Kamasaka, Itaru Kitahara, and Yoshinari Kameda
    • 雑誌名

      The 14th Association for the Advancement of Assistive Technology in Europe Conference 2017

      巻: - ページ: 709-716

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Detecting Walkable Plane Areas by Using Rgb-D Camera and Accelerometer for Visually Impaired People2017

    • 著者名/発表者名
      Kenta Imai, Itaru Kitahara, and Yoshinari Kameda
    • 雑誌名

      Proceedings of 3DTV Conference 2017

      巻: - ページ: 4 pages

    • 査読あり
  • [雑誌論文] RGB-Dカメラを用いた歩行安全領域の検出と提示方法の検討2017

    • 著者名/発表者名
      今井 健太, 北原 格, 亀田 能成
    • 雑誌名

      HCGシンポジウム2017

      巻: - ページ: 5 pages

  • [雑誌論文] カメラベース位置推定手法へのPDRの統合及び音声インタフェースの検討2017

    • 著者名/発表者名
      釜坂 一歩, 北原 格, 一刈 良介, 興梠 正克, 蔵田 武志, 亀田 能成
    • 雑誌名

      HCGシンポジウム2017

      巻: - ページ: 5 pages

  • [雑誌論文] 事前撮影映像に基づく視覚障害者の歩行誘導インタフェースの検討2017

    • 著者名/発表者名
      小河原 洸貴, 北原 格, 亀田 能成
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 技術研究報告MVE

      巻: vol.117, no.252 ページ: 1-5

  • [雑誌論文] RGB-Dカメラと加速度センサを併用した歩行可能な平面領域の検出2017

    • 著者名/発表者名
      今井 健太, 北原 格, 亀田 能成
    • 雑誌名

      第20回画像の認識・理解シンポジウム (MIRU2017)

      巻: - ページ: 4 pages

  • [学会発表] Location Estimation from Pre-Recorded Video Taken by Omnidirectional Cameras2017

    • 著者名/発表者名
      Yuta Nagumo, Itaru Kitahara, and Yoshinari Kameda
    • 学会等名
      Asia-Pacific Workshop on Mixed and Augmented Reality (APMAR) 2017
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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