研究課題/領域番号 |
17H01775
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
広田 光一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (80273332)
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研究分担者 |
田川 和義 愛知工科大学, 工学部, 准教授(移行) (40401319)
小森 優 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80186824)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | VR手モデル / 把持操作 / バーチャルリアリティ / インタラクション / ヒューマンインタフェース |
研究実績の概要 |
(1-a)リンクモデル構築手法の開発 MRI画像から骨と軟組織の境界を抽出することで骨形状と関節の回転中心を計測する手法を検討した。手を握った姿勢と開いた姿勢との2つの状態で撮影したデータを取得した。スライス間隔を小さくするとスライス数が大きくなり撮影に時間がかかる。このため撮影シーケンスとして比較的高速な撮影が可能であるgradient echo法を用いることとした。また、撮影モードは既存(医療用)の設定の中から骨と軟組織と外気の境界の抽出は脂肪あるいは水の密度の違いを比較的高いコントラストで取得できるものを選択した。Region Growining法、Watershed法などによる領域分割などを試みた。これまでの検討では、完全に自動的な抽出はむずかしくユーザによる調整や修正が必要である。抽出された境界の形状が不安定で骨領域のマッチングのために十分な精度が得られていない。 (2-a)変形モデル構築手法の開発 骨-軟組織、軟組織-外気の境界を抽出し、両者の間の空間に3次元のメッシュを構成することで変形モデルを構築することを試みた。上述(1-a)と同様に、領域分割の手法を応用して境界を抽出したが、精度の問題を十分に解決することができていない。とくに軟組織-外気の境界面はVR手の表面を構成することから、現実と同程度に滑らかな表面の生成に重点を置いた空間的フィルタリングについても検討をおこなった。一方、境界面が定義された後の3次元メッシュ生成の手法を確立した。皮膚表面と各指骨の表面(境界面)のノードを区別してグループ化することで、手モデルと物体との接触や関節の屈曲にともなう境界条件の設定を可能とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予想されたことであるが、画像の解像度が低いことと比較的ノイズが大きいことが精度のよい境界面の生成の困難の原因となっている。この問題の検討に時間をとられ、骨領域のマッチングに関する検討を十分に行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の検討を踏まえてMRIの撮影シーケンスと画像処理手法の両面で改良を試みる。撮影シーケンスについては、上述の検討では医療用の一般的な設定を使用したが、本研究の目的に必ずしも最適とは言えない。様々なシーケンスによる画像を比較して適したものを検討することを予定している。画像処理についてはこれまでボクセルベースの処理を検討してきたが、軟組織や骨の特徴を前提としたトップダウンな処理の導入を検討する。 一方で、手モデル生成までの道筋を確認するために、ひとまず画像処理の困難を軽減することを考えている。高解像度(すなわち時間のかかる)撮影をおこないデータを取得することで境界面の生成と骨のマッチングの処理が容易になることが予想される。また、マッチングについては、ユーザが処理に介入する半自動の手法を検討する。
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