研究課題
昨年度に引き続き、認知症高齢者に対する対人コミュニケーションを計測する研究を行い、成果の取りまとめと出版を行った。優しい介護スキルユマニチュードを対象として、ユマニチュード熟練者と初心者間での視線のスキル比較を行い、その違いを統計的に明らかにした研究について出版を行った。スキルの個人間の差異を、深層学習(敵対的学習)を用いて変換する手法について研究を行い、ACM IMWUTに採択された。この研究によって、深層学習を用いてジェスチャセンサデータを変換することにより、より高精度で動作の認識が行えることが明らかになり、幅広い利用用途が想定される。また、対人コミュニケーション研究として、被介護者の体位(座位、臥位)や顔間距離の違いが介護者に対する印象にどのように影響するかを調査する実験を行った。通常このようなコミュニケーション実験では、刺激(介護者の動作)を統制することが難しいが、介護者の被介護者へのコミュニケーション行動を360度カメラで取得、被介護者にバーチャルリアリティヘッドセットを用いて提示することで統制を行った。接近者の視線方向(参加者の顔・参加者の胴体)と表情(ネガティブ表情・真顔・ポジティブ表情)を操作する実験を行った所、ポジティブ表情の接近者の視線が参加者の顔に向けられていると,参加者自身の感情はより快と評価され、接近者に親しみや頼りにしたいという印象を強く抱くことが明らかになった。また、ネガティブ表情の接近者の視線が参加者の顔に向けられていると、参加者自身の感情はより不快と評価され、頼りにしたくないという印象を接近者に強く抱くことも明らかになった。また、座っているときよりも寝ているときの方が、参加者は接近者に対してより頼りにしたいと感じることが示された。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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