研究課題/領域番号 |
17H01790
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
沖本 天太 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (10632432)
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研究分担者 |
平山 勝敏 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (00273813)
井上 克巳 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 教授 (10252321)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | チーム編成 / 提携構造形成 / ロバスト性 / 不確実性 |
研究実績の概要 |
本年度の研究実施計画に記載した研究課題(1)動的環境における提携ゲームの定式化とアルゴリズムの開発,(2)確率的な提携構造形成問題及び,(3)応用研究としてナース・スケジューリング問題をそれぞれ実施した.まず,チーム編成問題を含む協力ゲーム理論における代表的な枠組みである提携構造形成問題の研究に従事した.チーム編成問題は集合被覆問題と等価であり,提携構造形成問題は完全集合分割問題と等価な問題である.研究課題(1)及び(2)では,確率的な提携構造形成問題のフレームワーク及び,解精度を保証する近似解法を開発した.また,ロバスト性を考慮したロバストな提携構造形成問題のフレームワークを提案し,ロバスト性と最適性を同時に考慮した多目的最適化アルゴリズムを開発した.さらに,提携構造形成問題における特性関数の簡略表記法に基づく確率的提携構造形成問題のフレームワークを提案し,この問題を解く効率的なアルゴリズムを開発した.本研究成果はエージェントの応用分野に関する国際会議International Conference on Principles and Practice of Multi-Agent Systems (PRIMA 2018)に2本の論文が採録され,その内の1本は最優秀論文賞に選ばれた.また知識表現に関する最難関国際会議 International Conference on Principles of Knowledge Representation and Reasoning (KR 2018)にも論文が採録された.さらに,特性関数の簡略表記法に基づく確率的提携構造形成問題に関する研究では,情報系では国内で最も権威のある船井ベストペーパー賞を受賞している.研究課題(3)では,スポーツ・スケジューリングやナース・スケジューリングに着手し,現在いくつかの論文を投稿している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
* 申請者は既に本研究課題のベースとなるロバストな提携構造形成問題や,確率的な提携構造形成問題に関する研究に早い段階から着手しており,研究計画通りに取り組むことが出来た.
* 共同研究者らと研究打合せ・議論を行う機会を沢山もてたことが成果につながったと考える.
* 応用研究(C)に関しては従来の計画以上の成果を挙げることが出来た.
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今後の研究の推進方策 |
H31年度の研究実施計画に記載した以下の研究課題に取り組む. 基礎研究1:動的環境におけるチーム編成の解概念として,ヘテロジニアス(多様)及び,ホモジニアス(ロバスト)なチームをそれぞれ定義し,これらの解概念に基づく問題の定式化及び,この問題を解くアルゴリズムを開発する. 基礎研究2:従来の特性関数の簡略表記法に基づく提携形ゲームに対して,確率を導入した問題の定式化及び,この問題を解く効率的なアルゴリズムを開発する.また,特性関数の簡略表記法に基づく制限付き提携構造形成の研究にも着手する. 応用研究1:ロバスト性と関連するレジリエンスに着目し,レジリエンスに関する解概念を導入したナース・スケジューリング問題の定式化及び,この問題を解くアルゴリズムを開発する. 応用研究2:特性関数の簡略表記法に基づく制限付き提携構造形成(基礎研究2)に基づく ナース・スケジューリング問題の定式化及び,この問題を解くアルゴリズムを開発する.
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