研究課題/領域番号 |
17H01793
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
赤穗 昭太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (40356340)
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研究分担者 |
藤木 淳 福岡大学, 理学部, 教授 (10357907)
日野 英逸 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (10580079)
村田 昇 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60242038)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 機械学習 / 情報幾何学 / ノンパラメトリック推定 |
研究実績の概要 |
平成30年度は,【課題1】確率データ解析の情報幾何的な統一的理解,および【課題2】ノンパラメトリック確率データ解析法の開発に取り組み,【課題3】地球科学・脳科学データなど実データへの適用に着手した. 【課題1】については,モーダル回帰と呼ばれるロバストな回帰手法についてノンパラメトリックな視点から情報幾何的な解釈を行った.これは従来のデータ点からの射影という情報幾何の通常の観点とは異なる新たなものである.また,これまで行ってきた NMF の情報幾何的な解釈についても,拡張ピタゴラスの定理に基づく幾何学的なアルゴリズムの有効性を示した. 【課題2】については,ガウス過程回帰の情報幾何的次元削減法について,無限次元の確率分布の有限な部分空間という位置づけを明確にし,理論的な整備を進めた.これにより,マルチタスク学習に対する新たなノンパラメトリック推定法を提供することが期待できる. 【課題3】については,まず,神経活動など一部分だけが観測される多変量時系列の依存関係について擬相関の除去などを考慮した推定法を提案した.従来因果推論などでは考慮されてこなかった状況下での関係性推定法として有効である.また,JAMSTEC の協力のもと地球化学データを解析する新たな手法を考案し,人工データでの有効性を確認したのち,実データへの適用に着手した.さらに,筑波大の睡眠時脳活動光計測データに対して NMF による解析を着手した.これらはデータ駆動科学の実践としても意義がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
国際誌への採録1本,査読付き国際会議への採録2本があり,また,モーダル回帰に関する新しい情報幾何的解釈など予想を上回る成果が上げられた.JAMSTEC や筑波大睡眠研究所などとの共同研究も順調に進捗している.
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今後の研究の推進方策 |
【課題1】,【課題2】についてはある程度理論部分が完成したので国際誌への投稿を進める.【課題3】についても引き続き応用研究分野との連携研究を進め,学会発表などを通じて逐次成果を発信する.
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