研究課題/領域番号 |
17H01805
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
永田 和之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (10357634)
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研究分担者 |
万 偉偉 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 客員研究員 (20760002)
原田 研介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 特定フェロー (50294533)
多田 充徳 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (70392628)
山野辺 夏樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (90455436)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | オブジェクトピッキング / 物品配列パターン / 把持戦略 / 把持計測 / 主成分分析 |
研究実績の概要 |
物品配列パターンと把持戦略との関係を統計的に明らかにするため, 10名の被験者実験を行い,オブジェクトピッキングにおける物品配列パターンと手指の運動の関係を調べた.被験者実験では,特定の配列パターンで置かれた物品を取り上げる時の手指の映像と指関節データを取得した.取得した指関節データは,関数主成分分析などの統計手法により次元圧縮を行った後にクラスタリングを行い,概ね2通りの把持戦略に分類できることを示した.クラスタ重心の運動はDhaibaWorksで可視化して動作確認を行った.また,配列された物品間の隙間が把持戦略に与える影響について調べるため,8名の被験者実験を行った.被験者実験では,被験者の手指のサイズ(約40項目)を計測し,特定の配列パターンで置かれた物品間の隙間のサイズを色々と変えて,オブジェクトピッキングにおける手指の映像を記録した. 陳列・収納された物品の配列パターン認識として,環境中に同じ配列パターンで置かれた物品群の領域抽出と,その領域内の配列パターンを識別する手法を開発した.物品の陳列・収納においては,ある程度サイズが揃った同一種類の物品が纏まって置かれていることに注目し,yoloやSSDなどの既存の一般化物体認識手法を用いて個々の物品のBoundary Boxを抽出し,Boundary Boxの位置とサイズを特徴ベクトルとしてクラスタリングを行うことで同じ配列パターンをもつ物品群の領域抽出を行った.また,抽出された領域内の画像を入力としたCNNにより 物品配列パターンの認識を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
被験者実験により,特定の配列パターンで置かれた物品把持における手指関節運動データ,および物品間の隙間サイズに対する把持映像データを順調に取得することができた.しかし,庭内に収納されている物品の把持データ収集については,被験者が集まらなかったため実施しなかった. この他に,今年度の実施計画にはなかったが,環境中に陳列・収納された物品の配列パターン認識手法を開発した.この課題については,次年度以降は別の研究テーマで実施する.
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今後の研究の推進方策 |
被験者実験で収集した手指関節データについては,統計分析の結果と映像との対比から,一連の把持戦略を構成する動作列を求める.また,内的運動解析から,特定の配列パターンで置かれた物品の把持に必要なロボットハンドの基本仕様の導出を試みる.また,手のサイズに対する物品間の隙間が把持戦略に与える影響については,映像解析から把持戦略が切り替わるπ値を求める.
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