研究課題
網膜に存在する光受容器には錐体および杆体細胞が知られているが、2000年頃に新たな光受容器が発見された。この細胞はメラノプシン細胞と呼ばれている。本課題では、我々が先行研究で開発したメラノプシン細胞と錐体細胞への刺激量を独立に制御できる実験装置を用いて、メラノプシン細胞を起因とする非撮像系経路が外界の光情報を脳でどのように処理、伝達しているのかを明らかにすることを目的としている。本年度は、背景のメラノプシン刺激量を変化させた際に、その刺激がヒトの色検出メカニズムにどのように影響を与えるかを検証した。背景のメラノプシン刺激量を2倍程度変化させたにもかかわらず、M-L錐体拮抗型色メカニズムの閾値や特性に有意な変化は見いだせなかった。このことはメラノプシン刺激が色メカニズムに大きな影響を与えていないことを示唆している。成果は1月に開催された日本視覚学会で発表した。さらに、昨年度開発したマウス用平面型多原色人工照明装置を用いて、マウスを用いた概日リズム制御機構の解明を豊橋技術科学大学で実施している。実験は引き続き継続する予定である。H31年度は査読着き論文が2件であった。うち1件は、2012年に辻村らはメランプシン細胞が明るさ知覚に寄与していることを発見したが、その寄与の大きさを広いダイナミックレンジで定量的に検証した論文である。もう1件明るさ感への寄与に関する論文であり、輝度や色相が変化する際にどのようにメラノプシン細胞が明るさ感へ寄与するかを検証した論文である。その他、国内学会では、日本感性工学会と日本機械学会からそれぞれ招待講演を受けた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
Journal of the Optical Society of America A
巻: 37 ページ: A81~A81
10.1364/JOSAA.382349
Scientific Reports
巻: 9 ページ: ~
10.1038/s41598-019-44035-3