研究課題/領域番号 |
17H01815
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
田野 俊一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (50282918)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 医療情報 / 3D位置検出 / 拡張現実感 / HMD |
研究実績の概要 |
平成30年度は、動的環境である手術室に対応可能な3D位置検出方法と非剛体的な臓器に対応可能な3D位置検出方法のアルゴリズムの実装を見据えた具体化を実施した。 手術室内をカメラで撮影した画像には、建物、天井、壁に固定された機器など位置不変な特徴量(不動特徴点と呼ぶ)に加え、医師や看護師、移動可能な機器など、位置が変わる特徴量(動特徴点)が多く出現する。そこで、全体の3Dマップをリアルタイムに更新、各特徴点には、時間的安定性および位置的安定性の2つの属性を持たせ、この属性もリアルタイムで更新、2つの属性を考慮に入れた3D位置検出処理などにより、動的環境対応3Dマッチング法、精度推定・保証、全周カメラ対応のアルゴリズムの実装を見据えた具体化を行った。 臓器の場合、全体3Dマップを構成した時点と、微小な3Dマップ撮影時点では、臓器の形が変わっており、従来手法での特徴点間の距離、角度など絶対値に依存したマッチングでは対応できなかった。そこで、絶対値ではなく、相対値、順序値、トポロジーを表す値、特徴点付近のテクスチャ、色合いなどのデータなどにより、非剛体対応可能な特徴量、非剛体精度推定・保証を行うアルゴリズムの具体化を進め実装を行った。 また、上記で実現する3D位置検出アルゴリズムを用いて、手術室内利用可能な医療ARシステムを実現し実際の手術室での試用実験を行うための、手術室用医療ARシステムの実現に必要となるHMDや画像処理装置などの要求スペックを分析し、ハードウエアなどのシステム設計を行った。 以上の平成30年度の実施事項により、平成31年度に行う実施事項の準備が完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記載したように、動的環境である手術室に対応可能な3D位置検出方法と非剛体的な臓器に対応可能な3D位置検出方法のアルゴリズムの実装を見据えた具体化をおおむね計画通り実施できた。平成31年度の実施事項へフェーズを進めることが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は、動的環境である手術室に対応可能な3D位置検出方法に関して、視覚情報による位置検出の統計的な誤差分布解析を行い、それを補完する磁気等を用いた手法について検討を行う。非剛体的な臓器に対応可能な3D位置検出方法に関しては、具体化されたアルゴリズムを用いて、非剛体精度推定のシミュレーションによる検証、誤差分布解析、それを補完するアルゴリズムの検討を行う。 また、上記2つの3D位置検出アルゴリズムを用いて、手術室内利用可能な医療ARシステムを実現し実際の手術室での使用実験を行うための、手術室用医療ARシステムの実現が目標である。平成31年度は、Society5.0、 超スマート社会の構成要素として本システムを実現するために、多数の手術室間の連携を可能とすることを目的とし、各機能をWEB-APIベースで公開・連携できる新たな仕組みの設計を行う。
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