患者や患部上に正しくAR表示するには、医師、患者、臓器の立体的な3D位置関係を知る必要があるが、磁気、超音波、光学マーカーなどの従来手法では、機器の設置、調整、精度等に課題があり、このため活用される医療現場が極めて限定されているのが実情である。 そこで、本研究では、「単一のカメラを用いて得られた視覚特徴点の3Dマップ間のマッチングにより3D位置を算出する」手法を、①手術室内の3D位置算出、および、②臓器内の3D位置算出において求められる特殊な性質、性能を満たすように拡張する。さらに、③これらを統合したシステムを構築し様々な医療現場で実証評価を行うとともに、次世代の医療ARシステムの3D位置検出ソフトウェアとして公開することを目的としている。 令和3年度は、動的環境である手術室に対応可能な3D位置検出方法に関して、汎用ソフト化の基本機能として組み込み方法を検討した。 非剛体的な臓器に対応可能な3D位置検出方法に関しては、汎用ソフト化の非剛体対応拡張機能として組み込み方法を検討した。 また、手術室用医療ARシステムの実装・評価と汎用化に関して、汎用ソフトとしての基本機能、拡張機能、連携機能の設計検討を行い全体構成をまとめた。
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