研究課題/領域番号 |
17H01817
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
作村 諭一 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (50324968)
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研究分担者 |
池田 和司 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (10262552)
申 ウソク 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究グループ長 (10357246)
宮内 睦美 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (50169265)
樋田 豊明 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, 研究員 (80250249)
伊藤 敏雄 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (90377888)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 呼気 / 疾病診断 / 機械学習 / 特徴選択 |
研究実績の概要 |
【目的】呼気を中心とする非侵襲データに基づき、機械学習法により複数の疾患を診断することを目的とする。これまでの研究から、呼気成分を用いて高精度で疾病診断できることが分かっているが、本研究課題では、診断器およびガスセンサの性能向上、および疾病・健康状態の数値化による身体の状態推定を行う。複数の疾病を特異的に診断できることを示す。本研究課題の手法が確立されれば、様々な非侵襲データを統合することで、高い精度の健康診断が簡素に行うことが可能となる。その簡便性から医療現場の労力を大幅に削減できるだけでなく、被検者にとっても診断のための経済的・身体的・心的・時間的負担が大幅に軽減される。 【実施計画】機械学習による診断器、およびガスセンサの改良を行い、診断性能を向上する。健康状態の推定を行うため、個々のサンプルの疾患・健常レベルを定義し、数値化する。簡易ガスセンサの改良のため呼気内の重要成分に対する感度調整を行う。重要成分について、生理学・医学的な因果関係を検討する。 【結果】 質量分析器(約60種検知)に比べ簡易ガスセンサ(4種検知)は、検知するガスを選択しなければならない。そのためには、60種のガスの中から、診断に最も有効なガス成分を選択する必要がある。この種の問題は、機械学習の分野で特徴選択と呼ばれる。本年度は、機械学習の1つであるサポートベクターマシンを応用した新規の特徴選択法を開発した。性能評価するために、様々なデータを人工的に作成し、本手法と他の手法により特徴選択を行った。その結果、特徴選択で有効と言われる埋め込み法と同等レベルの性能を発揮することが分かった。本手法は、特徴を選択するだけでなく、選択した特徴が取るべき値の推定にも応用が可能である。また、複数の疾病に関する呼気成分比較においては、それぞれの疾病特有の呼気成分が見いだされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒト由来試料採取を行う研究であるため、採取の手続きおよびデータの扱いについて、規定に従って進めているが、サンプル数の増加は一定速度以上が得られないため、多少の遅れがある。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き新規に採取した呼気について、センサによる定量化と疾病診断性能の評価を行う。 複数の疾病間の呼気成分の違いについて更に詳細な解析による比較を行う。 特徴選択法を応用し、疾病特有の成分とその値の分布に関する検討を行う。
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