研究課題/領域番号 |
17H01822
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
中島 伸介 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 教授 (90399535)
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研究分担者 |
河合 由起子 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (90399543)
張 建偉 岩手大学, 理工学部, 准教授 (20635924)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Web広告推薦 / 潜在的興味分析 / コンテキスト分析 / 位置情報付きツイート分析 |
研究実績の概要 |
従来のWeb 広告推薦の多くは,ユーザの明示的行動の分析をベースとする手法であり,潜在的な購買者層に対して効果的にWeb広告を推薦するには限界がある.また,ユーザはWeb空間および実空間の双方にて行動しているが,Web広告推薦においてユーザの実空間行動履歴が考慮されることはほとんど無い.そこで,Web空間および実空間におけるユーザの行動分析に基づき,感情とコンテキストを考慮した潜在的興味分析に基づくWeb広告推薦方式の開発を本研究課題の目的としている. Web空間におけるユーザ行動履歴および感情を考慮した潜在的興味分析として,Web空間におけるユーザの行動履歴から直接的・明示的な興味を推定するだけではなく,ユーザ行動およびその際の感情分析結果を用いて,任意のトピックに関するWebサイトへの訪問確率を学習し,ユーザの潜在的な興味分析手法の開発に取り組んだ.特にユーザの長期的興味と短期的興味を区別することでより精度よく潜在的興味分析を行う手法の開発に取り組むと共に,その有効性について確認した. 実空間のコンテキストに基づく群衆の明示的および潜在的興味分析として,位置情報付きツイートの分析に基づき,実空間のコンテキスト抽出およびコンテキストに基づく明示的興味抽出方式の開発を行い,コンテンツおよび明示的興味に基づく潜在的興味抽出方式の開発に取り組んだ.特にウォーキングナビやランニング支援システム活用時のユーザの潜在的興味分析に取り組むと共に,歩行および走行ルートがユーザに与える心理的および肉体的影響に関して分析を行った. さらに,実空間のコンテキストに基づく群衆の明示的および潜在的興味分析を目指し,本年度は米国,欧州における位置情報付きツイートデータ(約4億ツイート)を発信位置,発信時刻,言及内容の多次元分析を行い,ユーザの明示的興味語として抽出を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者および2名の研究分担者の連携がスムーズに行えている.また2017年10月より外国人博士研究員を雇用するとともに,研究協力者であるきざしカンパニーからのデータ提供および研究サポート体制の充実しており,研究グループとして非常に効果的に機能している.その結果,研究成果として国際会議論文10編,国内研究会論文7編を発表することができ,順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者および研究分担者2名,博士研究員1名に加えて,研究協力企業であるきざしカンパニーからなる,研究グループが効果的に機能しているため,引き続き現在の体制を維持しながら,研究を推進していく予定である.研究の方向性としては,これまでに行った研究成果を踏まえて,Web空間および実空間におけるユーザの行動分析に基づき,感情とコンテキストを考慮した潜在的興味分析に基づくWeb広告推薦方式の実現に向けて取り組む.具体的には,Web空間におけるユーザ行動履歴および感情を考慮した潜在的興味分析においては,特定Webページを訪れる可能性の高いユーザモデルの学習方法の改良に取り組むと共に,任意のトピックに対して潜在的な興味を持つユーザを判定する手法の開発を行う.実空間のコンテキストに基づく群衆の明示的および潜在的興味分析においては,実空間のコンテキスト抽出およびコンテキストに基づく明示的興味抽出方式の改良を行うと共に,コンテンツおよび明示的興味に基づく潜在的興味抽出方式の開発を行う.特に潜在的興味の抽出結果を用いた経路推薦および店舗推薦のWebシステムのプロトタイプの構築に取り組む.さらに,感情とコンテキストを考慮した潜在的興味分析に基づくWeb広告推薦方式の開発では,Web空間および実空間におけるユーザの潜在的興味分析を効果的に融合する方式の開発に取り組む.
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