研究課題
最終年度である本年度の課題は,リアルタイム認識を可能にする全体統合と,見守りシステムの実証実験による評価である.まず,これまで3つの組織で開発したシステムを統合して,リアルタイムで居住者の異常状態を検知するシステムを構成した.検出可能な異常としては,転倒,無動作,倒れ込み,無呼吸症候群などを対象とした.数値目標としては,一般家庭または小規模施設などを想定した10人以下の居住者を対象とし,異常検知の精度を90%以上,また,異常が発生してから5分以内に,それを検知・通報するようなリアルタイムシステムを構築した.一方,居住者10人以上の施設に対応できるようなスケーラビリティとパフォーマンスの実現のため,前年度までに開発されたアルゴリズムの並列化とデータのストリーム処理化も行った.そして実証実験による評価を臨床試験により行った.開発した見守りシステムを,共同研究先の介護老人保険施設とグループハウスの2施設に設置して,2019年10月から3ヶ月間にわたって実証実験を行った.部屋の配置,センサの種類,数,居住者の介護度などが異なる条件の2施設に導入できたことから,システム構築法が多様な条件でも有効であることが示された.リアルタイム認識については,各施設に長期観察対象の被験者を決めて24時間3か月間にわたって連続見守りを行った.この結果を分析することによって,認識率,レスポンスタイム,居住者数に対するスケーラビリティ,運転時間に対するパフォーマンスの低下などを評価した.これによって,実用システムとなるための課題が明らかとなった.見守りシステムの認識結果については,Web画面で日毎のグラフ表示をするなど,介護スタッフに対しても情報提供できるようにした.これにより,スタッフの負担軽減に役立ててもらうとともに,ユーザビリティについても評価した.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 10件、 招待講演 1件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件)
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