研究課題/領域番号 |
17H01825
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 豊 京都大学, 情報学研究科, 名誉教授 (00135526)
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研究分担者 |
岳 五一 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (50234175)
望月 バドル 京都情報大学院大学, その他の研究科, 助教 (10838460)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 待ち行列 / 数理モデル化 / 解析評価 / ネットワーク / 情報システム |
研究実績の概要 |
フォグコンピューティングにおいてはネットワークエッジに位置するサーバ群からそれぞれのトランザクションに応じて,応答性能の良い最適なサーバを選択し,そこへの経路を柔軟に決定する必要がある。そのためにはパケット毎にその属性に依存し,時変するネットワークの状況を考慮したルーティングの採用が不可欠である。このような視点からネットワーク仮想化による送信遅延をはじめとする基本性能を定量的に評価するためにSDN(Software Defined Network)を例にとり,数理モデルの提案と性能解析手法の開発を行った。
ネットワークエッジに配置された各物理サーバからのサービスは効率的運用のために複数に論理的に分割されたVM(Virtual Machines)の1台から提供される。処理要求は順次待機中のVMに割り付けられるが,処理が割り付けられていないVMはエネルギー消費抑制のために機能を一時的に停止することが望ましい。一方,処理依頼の発生状況により,機能停止(アイドル状態)から再度稼働状態あるいは待機状態に復帰するには準備時間が必要となる。このようなシステムの最適運用においてはエネルギーコスト削減効果のプラスの面とVMが一時的に機能停止することに起因するマイナス面を考慮する必要があり,数理モデルを基にNash均衡問題として考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題に関連する研究成果を査読付き英文国際論文誌に10編,Springer社刊行の査読付き学術図書に2編,査読付き国際会議に1編を発表した。また本研究分野に関連する国際会議を会議議長としてベルギー国において主催した。
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今後の研究の推進方策 |
エッジコンピューティングにおいては,ネットワークエッジに配置したサーバへのアクセス集中が一時的に発生する可能性があり,局所的にトラヒック量が増大し,他のアプリケーションなどの送信品質が大きく影響を受ける可能性がある。これを低減するために,コグニティブ無線技術を活用し,種々のトラヒックが所望するQoSに応じた優先的送信権付与を考察し,数理モデルの提案および解析手法の開発を行う。
エッジサーバの省エネルギー運用を見据えて,処理要求の発生状況に応じてVM(Virtual Server)の処理速度を動的に制御あるいは一部を稼働停止し,運用コストと処理要求が規定するQoSレベル達成度のトレードオフを考慮した最適運用方策を検討する。
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