研究課題/領域番号 |
17H01833
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
林 香里 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (40292784)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ニュース / 国際比較 / ソーシャルメディア利用 / ジャーナリズム / メディア論 |
研究実績の概要 |
ここまで、コロナで対面での討論がかなわなかったが、毎月オンラインミーティングを欠かさず行い、グーグルドキュメントでシェアしながら論文を共同執筆してきた。 その結果、国際共著で合わせて、研究論文5本出版、研究発表3本(すべて査読付き)として結実し、着実に成果を上げている。 米国、イスラエル、フィンランド、アルゼンチン、日本という、世界5か国のメディア利用者へのインタビューデータをもとに、ソーシャルメディアが普及した時代のニュースの消費、メディアの利用について、包括的に探る研究となった。下記が発表した論文や学会発表の概要である。 1)若者に焦点を当て、ソーシャルメディアでどのようなニュース消費をし、さらに議論をしているのか、世界的に共通するパターンを探った論文、2)女性に焦点を当て、女性たち家庭内で活発にデジタルメディアを利用しながらも、以前として伝統的な性役割や男性中心の技術イメージに影響を受けている状況を論じた論文、3)フェイクニュースがあふれ、議論が分極化する環境が世界中に広がる中、「ニュースを忌避する人々」が問題になっている。5か国におけるニュース忌避をする行動について、文化的、メディア制度的相違を論じた論文、4)デジタル環境が浸透する中、「紙」の新聞は忘れられがちだが、実際、現在人々にどのように使われており、どう認知されているかを5か国それぞれに比較した論文、5)プッシュ機能の発達などで「ついでに読む」タイプのニュースがニュース利用にどのように影響を与えているかについて、比較検討した論文。 以上、デジタル化が進み、ソーシャルメディアが普及した時代の新たなニュースやメディア利用についての世界的状況を、メディア研究の一流国際ジャーナルに投稿し査読を通過して公表に至っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
毎月のミーティングをしながら、国際学会もバーチャルコンフェレンスで発表し、論文もGoogle Docなどで電子ファイルを共有しながら共同執筆をし、成果を上げてきた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年として、研究者が対面で集って国際学会(ICA)で発表し、研究の総括をする。
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