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2019 年度 実績報告書

転換期としての「昭和50年代」と大衆メディア文化の変容

研究課題

研究課題/領域番号 17H01836
研究機関立命館大学

研究代表者

福間 良明  立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70380144)

研究分担者 日高 勝之  立命館大学, 産業社会学部, 教授 (00388787)
前田 至剛  追手門学院大学, 社会学部, 准教授 (00454455)
森下 達  創価大学, 文学部, 講師 (00775695)
権 学俊  立命館大学, 産業社会学部, 教授 (20381650)
高井 昌吏  東洋大学, 社会学部, 教授 (20425101)
野上 元  筑波大学, 人文社会系, 准教授 (50350187)
白戸 智子 (松永智子)  東京経済大学, コミュニケーション学部, 准教授 (60735801)
山本 昭宏  神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70644996)
佐藤 彰宣  東亜大学, 人間科学部, 講師 (70804350)
白戸 健一郎  筑波大学, 人文社会系, 助教 (80737015)
谷本 奈穂  関西大学, 総合情報学部, 教授 (90351494)
井上 義和  帝京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10324592)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード教養主義 / メディア / 戦後
研究実績の概要

本研究は、「昭和50年代」(1970年代半ば~80年代半ば)の大衆メディア文化を検討し、いかに「政治の季節」の文化(「学生運動文化」「教養主義」「戦争の記憶」)が残存・変容しながら「バブル文化」に至ったのか、その転換の過程を解明する。「政治の季節」(1960年頃~70年前後)の政治運動や学生運動については多くの研究蓄積があり、1980年代論やバブル文化論も、近年、隆盛を見せている。だが、「政治の季節」から「バブル文化」に行き着くまでに、どのような文化や社会の変容が見られたのか。その過程で、先行する時代をいかに引き継ぎ、断絶していたのか。この転換の過程については、これまで整理がなされなかった。本研究は、「昭和50年代」という転換期のメディア文化に着目し、「政治の季節」から「バブル文化」に至る文化変容を検証する。
その解明は、戦後文化史を捉え直す意義を持つ。小熊英二は、終戦から55年体制成立までを「第一の戦後」、それから大学紛争終焉までを「第二の戦後」とし、それ以降の「第三の戦後」の時代と区分している。だが、「第三の戦後」は前の時代と画されたものではなく、また、80年代の消費文化のみに代表されるものでもない。こうした問題意識のもと、本研究は「昭和50年代」という転換期の大衆メディア文化を多角的に分析し、「政治の季節」のインパクトがさまざまに変化しながら「バブル文化」に至る変容プロセスを検証する。
こうした目標に向けて、2019年度は核となる資料の収集、研究会の実施(5月、9月、11月、2月)、各自の調査・分析経過の情報共有を行った。また、昭和50年代の歴史イメージと地域アイデンティティの構築を視野に入れ、「昭和50年代のメディア文化史」を多角的に捉え返すべく、9月に熊本・長崎にて共同調査実施した。「昭和50年代」の比較対照として、必要に応じ戦時期や現代の文化についても検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

資料の収集を、各自の分担にしたがって、予定通りに収集している。研究会も概ね3カ月に1度のペースで実施できており、共同研究メンバー間の情報共有もなされている。

今後の研究の推進方策

本研究は、「昭和50年代」の大衆メディア文化が、「政治の季節」をどのように引きずり、「バブル文化」に向けて変容を遂げたのかを検証する。その際、1.個別メディアの分析(映画、マンガ、アニメ、TVドラマ、雑誌など)と2.メディア横断的分析(「論壇誌と大衆メディア比較対照」「個別メディアの比較対照」「国際比較」など)を行なう。資料については古書を入手するほか、国公立図書館、関連資料館などで収集する。成果としては、邦文論集の刊行をめざす。
そのために、次年度は、昭和50年代メディア史資料の収集、関係者へのインタビュー、研究会の実施を進めるとともに、成果論集の公刊にむけて、調査内容の分析を進めていく。具体的には以下のとおりである。
1.補足資料の収集・関係者へのインタビュー 前年度の資料収集の後に新たに必要となった文献・映像資料を収集し、適宜、聞き取りも行う。
2.研究会の実施  立命館大学(京都衣笠キャンパスもしくは東京キャンパス)において、3ヵ月に1度程度の頻度で研究会を開催し、論集刊行にむけた各自の
研究内容や調査分析について、意見交換と情報共有を行う。

  • 研究成果

    (19件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] 「昭和期の中野正剛における選挙とメディア:メディア政治家の一事例として」2020

    • 著者名/発表者名
      白戸健一郎
    • 雑誌名

      メディア史研究

      巻: 47 ページ: 118-140

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「戦前・戦中期の『少年倶楽部』における孤児の物語――海外児童文学の受容から田河水泡「のらくろ」へ――」2020

    • 著者名/発表者名
      森下達
    • 雑誌名

      マンガ研究

      巻: 26 ページ: 8-31

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「調査に見る美容整形の諸相」2020

    • 著者名/発表者名
      谷本奈穂
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 2020年3月臨時増刊号 ページ: 309-318

  • [雑誌論文] 国民体育大会を考える2019

    • 著者名/発表者名
      権学俊
    • 雑誌名

      月刊自治研

      巻: 10月号 ページ: 30-38

  • [雑誌論文] 「フィクションの特攻文学」2019

    • 著者名/発表者名
      井上義和
    • 雑誌名

      文学界

      巻: 73-7 ページ: 38-39

  • [雑誌論文] 「女子マネージャーという生き方を考える」2019

    • 著者名/発表者名
      高井昌吏
    • 雑誌名

      『りぷる さっぽろ』

      巻: 50 ページ: 5-5

  • [学会発表] The Arguments on War Experience in postwar Japan and "criticism of victim mentality"2020

    • 著者名/発表者名
      福間良明
    • 学会等名
      Conference:Challenge of Reconciliation Studies
  • [学会発表] 「戦後日本保守政治家の歴史認識と日韓関係」2019

    • 著者名/発表者名
      権学俊
    • 学会等名
      世明大学人文社会科学研究所特別講演
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 「日韓両国における朝鮮人特攻隊員に関する認識と受容」2019

    • 著者名/発表者名
      権学俊
    • 学会等名
      第22回社会文化学会全国大会
  • [学会発表] 「日本におけるダークツーリズムと地域活性化」2019

    • 著者名/発表者名
      権学俊
    • 学会等名
      教育部・韓国学術財団主催 韓日中「国際学術シンポジウム」
    • 国際学会
  • [学会発表] 「昭和期の中野正剛における選挙とメディア」2019

    • 著者名/発表者名
      白戸健一郎
    • 学会等名
      メディア史研究会
  • [学会発表] 「被爆による奇形化とマンガ表現――石ノ森章太郎「サイボーグ009」の描き換えを軸として――」2019

    • 著者名/発表者名
      森下達
    • 学会等名
      日本社会学会
  • [学会発表] 「半導体戦争時代のマイコンと教養──昭和50年代のコンピュータ総合雑誌を事例として」2019

    • 著者名/発表者名
      前田至剛
    • 学会等名
      日本社会学会
  • [学会発表] Negotiating Sex, Bizarreness and Politics: February 26 Incident and Abe Sada on Films2019

    • 著者名/発表者名
      日高勝之
    • 学会等名
      International Conference 'Directions in Japanese Film Studies'
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 『よくわかるスポーツ文化論』[改訂版]/担当:「ソーシャル・メディアとスポーツ」2020

    • 著者名/発表者名
      井上俊、菊幸一(編)/高井昌吏
    • 総ページ数
      220頁
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] 『戦後日本文化再考』(野上元「再演される「東京裁判」 一九七〇/八〇年代の江藤淳と映画『東京裁判』」)2019

    • 著者名/発表者名
      坪井秀人(編)/野上元
    • 総ページ数
      603頁
    • 出版者
      三人社
  • [図書] 趣味とジェンダー2019

    • 著者名/発表者名
      神野由紀・辻泉・飯田豊(編)/佐藤彰宣
    • 総ページ数
      372頁
    • 出版者
      青弓社
    • ISBN
      978-4-7872-3452-0
  • [図書] 変貌する恋愛と結婚/担当:「ロマンティックラブ・イデオロギーとロマンティックマリッジ・イデオロギー:変容と誕生」2019

    • 著者名/発表者名
      小林盾・川端健嗣(編)/谷本奈穂・渡邉大輔
    • 総ページ数
      286頁
    • 出版者
      新曜社
    • ISBN
      978-4-7885-1630-4
  • [図書] 社会学で描く現代社会のスケッチ/担当:「美容整形のきっかけとは?」2019

    • 著者名/発表者名
      友枝 敏雄・山田 真茂留・平野 孝典(編)/谷本奈穂
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      みらい
    • ISBN
      978-4-8601-5485-1

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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