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2017 年度 実績報告書

教授文脈・学習過程の多様性に適応した状況依存属性文法による問題解決学習・指導支援

研究課題

研究課題/領域番号 17H01838
研究機関東京学芸大学

研究代表者

宮寺 庸造  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10190802)

研究分担者 中村 勝一  福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (60364395)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード問題解決学習 / 問題解決指導 / 知識体系 / 指導支援 / 適応的モデル
研究実績の概要

平成22年度の学習指導要領の改定により,「問題解決能力」が重視され学校現場では様々な取り組みがなされている.しかし,問題解決についての具体的かつ詳細な指導法が確立しておらず,学習過程に着目した指導や評価が難しいという問題点がある.この問題点を解決するためには,多様な学習目的や教授方略,全体・個々の多様な学習過程にも対応できる問題解決学習・指導の新たなモデルとそれに基づいた支援システムが必要である.そこで本研究では,①問題解決学習・指導の知識体系を開発し,学習・指導の観点を明確にする,②ある教授方略のもと,学習目的や学習環境の制約および教授者の要望等(教授文脈)と学習過程の多様性に適応するために,状況に依存した属性文法による動的な学習・指導支援モデルとそれに基づく支援システムを開発する.

平成29年度は,問題解決学習・指導の知識体系の開発と問題解決学習・支援モデルの開発を,以下の手順に従って遂行した.(1)国内の学会や研究会,国際会議に参加し,本研究に関連する最新動向を調査した.(2)過去5年間実施してきた問題解決学習データや文献および公開されている指導案などをもとに,[学習プロセス×課題の観点×学習状況]等の様々な観点から,学習者行動や問題点,指導法などを多角的に分類・整理し,体系化のための構成要素,必須項目等を洗い出した.(3)[学習プロセス×課題の観点×学習状況]に応じた問題解決学習と適切な指導を可能とする知識体系を開発した.具体的にはPMBOKを参考に,知識体系の構成要素の選定と要素の詳細を決定した.(4)前項で開発した知識体系を中核とした問題解決学習および指導のための支援モデルを開発した.本モデルは,問題解決学習における定石となるルールに逸脱しない範囲で学習者の自由な活動を支援できること,学習者の状況に合わせた適応的な支援が可能であることが特徴として挙げられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度に予定していた「問題解決学習・指導の知識体系および問題解決学習・支援モデル」が開発でき,予定通りに研究課題を達成している.

今後の研究の推進方策

平成30年度は,以下の手順に従い,状況依存属性文法・支援手法の開発に着手する.
(1)開発モデルに基づいた授業実践:前年度開発した「問題解決学習・指導支援モデル」に基づいた授業実践を通し,モデルの妥当性の検証および課題抽出を行い,モデルの改善を図る.(2)支援システムの外部設計:前項のモデルに基づいた,開発予定の問題解決学習・指導支援システムの全体像を把握し,メンバ全員で共有するために外部設計を行う.特に,システムに対する入力情報(例えば,教授方略,授業設計,学習環境などの要件,要望,制約)の種類と個々の要件を明確にする.(3)状況依存属性文法・支援手法の開発:前項の結果を踏まえ,入力情報および学習活動シーケンスを文法として記述するための枠組みを開発する.シーケンスを文法化することにより,固定と可変の両方に対応した学習活動の管理とコントロールを可能にする.開発した枠組みのもと様々な場合の入力情報を記述し,多様性に対応した表現が可能か否かの検証を行う.その後,この文法を用いた支援手法を開発する.上記作業を繰り返し行うことにより,開発する状況依存属性文法の精度を高める.(4)支援システムの内部設計:支援システムの内部設計を行う.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 大学研究室における研究活動の多様性を考慮した管理支援システムの開発2018

    • 著者名/発表者名
      大浦拓馬,佐藤克己,森本康彦,中山祐貴,中村勝一,宮寺庸造
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: 117(469) ページ: 35-40

  • [雑誌論文] Design of a PBL Workflow Model Suitable for Learners Situations2017

    • 著者名/発表者名
      Yoshiki Sato, Atsuo Hazeyama, Shoichi Nakamura, Youzou Miyadera
    • 雑誌名

      Proc. the 2017 IEEE 9th International Conference on Engineering Education, IEEE

      巻: - ページ: 186-191

    • DOI

      10.1109/ICEED.2017.8251190

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development of a Laboratory Rules Description Grammar Accommodating a Variety of Research Activities2017

    • 著者名/発表者名
      Takuma Oura, Yoshiki Sato, Yasuhiko Morimoto, Hiroki Nakayama, Shoichi Nakamura, Youzou Miyadera
    • 雑誌名

      Proc. 2017 International Conference on Computational Science and Computational Intelligence, IEEE

      巻: - ページ: 1079-1084

    • 査読あり
  • [学会発表] 研究活動の多様性を考慮した研究活動記述文法の開発2017

    • 著者名/発表者名
      大浦拓馬,佐藤克己,森本康彦,中山祐貴,中村勝一,宮寺庸造
    • 学会等名
      日本教育工学会 第33回全国大会
  • [学会発表] プロジェクト管理手法を活用した問題解決学習の運用支援モデルの検討2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤 克己,櫨山 淳雄,宮寺 庸造
    • 学会等名
      日本情報科教育学会第10回全国大会

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公開日: 2018-12-17  

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