研究課題/領域番号 |
17H01841
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山下 由美子 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90635294)
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研究分担者 |
小松川 浩 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 教授 (10305956)
湯川 治敏 愛知大学, 地域政策学部, 教授 (40278221)
秋山 英治 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (40636148)
加藤 竜哉 桜の聖母短期大学, その他部局等, 教授(移行) (70624542)
仲道 雅輝 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 講師 (90625279)
山川 広人 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 講師 (90724732)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 話しことば / 書きことば / 学術表現 / レポート / 初年次 / システム開発 / 文章表現 / ツール |
研究実績の概要 |
本研究では、コーパスや既出のレポートを基に学生がレポートで使用しがちな話し言葉の調査を行い、「文章中に現れる話し言葉」のデータベースを構築する。 その上で、学生が自分の書いたレポート内の文章表現をWeb上でチェックできる、「話しことばチェッカー」のシステム開発を行う。 2019年度は、これまで同様継続的に「話しことば調査」および「データベース構築」を行い、話しことば事例の集積を行った。 「システム開発」については、1つ目のカテゴリー「対象語自体が話しことば」を検出するシステムを稼働させた。システムは、「形態素解析」「話しことばデータベース検索」「話しことば判定」「例文データベース検索」「検出結果表示」の5つのモジュールで構成している。 後期には、実証実験として公立千歳科学技術大学の初年次学生216人にレポート課題を課し、提出後チェッカーでの判定をさせ、検出された話し言葉を修正したレポートを再提出させた。その結果、1回目の検出数が平均5.02個だったのが、修正後は平均0.83個にまで減少した。事後アンケートからも、本システムの有用性について8割以上の学生から肯定的な回答を得ることができた。本システムは、添削システムではなく、「本システムを用いて推敲することで、気づきが得られ、適切な学術表現を使用できるようになる」ことを目的としている。今回の実証実験から、気づきを得ることで学生達は自身の不適切な話しことばを再検討し、その使用数を減らすことができたと言える。なお、本実証実験の成果は、教育システム情報学会(JSiSE)2019年度第5回研究会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度の計画は、引き続き「話しことば調査」および「データベース構築」の継続と「システム開発」、実証実験であった。 「話しことば調査」および「データベース構築」は、研究分担者の担当授業で提出された学生レポートからの話しことば抽出もでき、データベース構築が一層進んだ。 「システム開発」については、1つ目のカテゴリー「対象語自体が話しことば」を検出するシステムを稼働させ、実証実験も実施できた。 現在は、2つ目のカテゴリー「対象語の直前に特定の単語が付随」および3つ目のカテゴリー「対象語の直後に特定の単語が付随」のシステム開発を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度の計画として、大きく以下の3点が挙げられる。 目的①「話しことば調査」、目的②「データベース構築」については、通年で話しことば調査を継続し、データベースの充実を図る。 目的③「システム開発」については、試作運用を継続しシステム改良を行う。本格運用に向け、連携8大学以外の協力校を検討し依頼する。またシステム運用マニュアルを完成させる。 目的④「活用集作成」については、通年で試作運用を通じて多様な用途に応じた活用事例を収集し、話しことばチェッカーの活用集を作成していく。
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備考 |
ただし、現在は未公開の状態である。
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